非行に走る子と走らない子、何が違う?

その場になってから考えるのでは遅い! 非行防止のカギは0~7歳にあり

その場になってから考えるのでは遅い! 非行防止のカギは0~7歳にあり

私が日々行っているカウンセリングなどで、お母さま方から、
  • 将来、非行や少年犯罪などに走ってしまう子とそうでない子は何が違うの?
  • 幼い頃の経験が、将来の非行などに影響するって本当?
  • もしそうであるなら、幼少時から母親としてできる予防策はないの?
というご質問を受けることがあります。

確かに、非行や少年犯罪などに走ってしまう子と走らない子には違いがあり、幼少時の経験が影響しているのは本当です。そして、そうならないためにママができる働きかけも存在します。

この記事では、「子供を非行に走らせない! 2歳からできるママの心がけ」と題し、0~7歳の子のママができる非行予防策についてお伝えします。


犯罪少年の心理から分かること

私はもともと大学院で犯罪心理学を学んでいました。そこで様々な文献やケースを読んできたのですが、犯罪などの逸脱行動に走る人達の考え方は、私達一般人とはかけ離れています。

たとえば、スリの常習犯として捕まった少年の例です。

「なぜ人のものを盗むんだ?」と聞かれ、

「バッグが開いていたから」
「開いたままにしているということは、取ってかまわないということだ」
「取られたくなければ、しっかりと防備するべきだ」
「スキを見せるのが悪い」

と答えました。ちょっと信じられないかもしれませんが、彼らはこれを全うな考えだと思っています。

そもそも、犯罪心理学を学んでいた私が、現在の育児支援の仕事に行き着いた経緯も、こんな少年達のかけ離れた考え方がどこからやってくるのか、という探りからでした。このような考え方が芽を出す前に手を打てば、非行が未然に防げると思ったのです。そして、探っているうちに分かってきたのが、

人間の考え方(思考スタイル)は幼少時にほぼ完成し、それ以降は、それをベースに物事を考え、世の中を見るようになる

ということでした。


非行防止のカギは0~7歳にある

小学校に上がるくらいまでに、その子の思考スタイルが作られる

小学校に上がるくらいまでに、その子の思考スタイルが作られる

記事「プラス思考の子育て:ママだから伝えていきたいこと」でご紹介していますが、その子の思考スタイルは生まれてからの7年間、つまり、小学校低学年くらいで定着するといわれています。その後も、もちろん考え方を変えることは可能ですが、しっかり働きかけないと変えられません。つまり、非行に走ってしまってから悩むよりも、7歳くらいまでに、「非行に走らない考え方」をきちんと教えてあげる方がずっと簡単なのです。

前ページの例で分かるのは、少年犯罪に走る子の考え方は、
  • 極端な自己中心性
  • 他者非難
が特徴的です。簡単に言ってしまえば、「悪いことが起こったのは相手が悪い。スキを見せなければそのようなことは起こらなかったのだ」という発想。

これを読み、「なぜこのような発想になってしまったのだろう?」とお考えかもしれません。でもそれは逆で、赤ちゃんのときから発想が変わらぬまま育ってしまったとも言えます。

生まれての赤ちゃんは、おっぱいが欲しいと思ったら泣きます。1歳の子は、自分が遊びたいおもちゃは握ったら離しません。2歳の子は、公園でブランコの順番を待つのが苦手です。つまり、人間は生まれたときは、みな自己中心的なものなのです。でも幼稚園に行く頃には、譲り合い、貸し借りがだいぶ上手になっていますね。

それはなぜでしょう? きちんと親が教えてあげているからです。つまり、少年犯罪に走ってしまうのは、幼少時に親がしっかりと教えてあげなかったために、学ぶ機会を逸してしまったから。

ここで言う、「しっかりと教えてあげる」は、単に、物の貸し借りの仕方を教えてあげるだけにとどまりません。非行を防ぐには、さらに深く、「考え方」の部分まで教えてあげる必要があります。


子供に考え方をどう教えるべき?

先ほど取り上げた「相手のせいにする思考スタイル」を例に取りましょう。

例えば、子供を叱るとき、ママが、「誰がやったか」にばかり着目すると、子供も、「何をやったか」よりも「誰がやったか」を重要視するクセがついていきます(詳しくは「子供にマネしてほしくないマイナス思考 その9 「人のせい思考」にて)。

このように、ママの言葉や態度で、ママの物の見方、つまり、考え方までもが、子供に伝わっていくのです。これを子供に伝えないためには、親自ら、「人のせい思考」を使わないことが必要です。つまり、この例で言えば、「誰がやったか」ではなく、「今、どうすべきか?」にフォーカスした叱り方を徹底するのが効果的。

このパターン以外にも、逸脱行動に関連するマイナス思考は、いくつもあります。

例えば、
これ以外にも、暗く悲観的な気持ちになりやすいマイナス思考は、なんと10パターン!  いずれも、ママがこれらのパターンで子供とコミュニケーションを取っていると、それがお子さんにも伝わってしまうので注意が必要です。

人それぞれウィークポイントは異なります。過去記事の「子どもにマネしてほしくないマイナス思考13」の2ページ目に、13パターンの全リストを掲載していますので、ぜひご自身の苦手項目をチェックしてみてください。


非行予防策として、プラス思考を届けよう

この記事でお伝えした非行防止策は、小さい子のママだからこそ生きてくる方法です。私が推奨するポジティブ育児メソッドは、単にママから子どもへプラス思考を届けるという表向きの目的以外に、マイナス思考を植え込まないことで将来的な非行を防止するという目的もあるのです。

直感的に、「マイナス思考よりはプラス思考の方がいいな」とほとんどの方が感じていますが、それが「なぜいいのか?」まで考えることはあまりないと思います。思考スタイルはとても奥が深く、表向きのイメージ(ポジティブなのか、ネガティブなのか)だけでなく、思考スタイルを介し、その人の生き様にまで影響をおよぼすものなのです。

ここでは2歳からとおすすめしましたが、これはあくまで2歳くらいから言葉を介したコミュニケーションがグッと増えるから。0歳からのママの声かけがポジティブな内容であればあるほど効果的です。

最後に、非行防止の大事な秘訣をお伝えします。

著書「輝くママの習慣」でも触れましたが、健全に育っている子供達に、「なぜ君達は非行に走らなかったのですか?」という質問をしたところ、「親の悲しむ顔が見たくなかったから」と答えた子が多かったそうです。

親が、子供にとってかけがえのない大事な存在であり続けること、愛される存在であること、それ自体が非行防止になるのです。生まれてからの数年間は、ママにとって本当に大変な時期です。でも、今、一生懸命やっていることが、必ず将来へつながります。だから、「Be Positive !」 ポジティブな言葉のシャワーを沢山浴びせてあげましょう!


 



※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※乳幼児の発育には個人差があります。記事内容は全ての乳幼児への有効性を保証するものではありません。気になる徴候が見られる場合は、自己判断せず、必ず医療機関に相談してください。