日本の子どもの自己肯定感は諸外国に比べ低いのが実態

内閣府は2019年6月に令和元年版「子ども・若者白書」を公表しました。「日本の若者の自己肯定感は諸外国の若者に比べて低い傾向にあり、同時に実施した欧米など6ヵ国(韓国、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、スウェーデン)の若者の回答と比較すると、もっとも低い実態にあった」という結果を発表しています(出典「令和元年版 子供・若者白書(全体版)」)
自己肯定感が低いのは親のせい?子どもの自己肯定感・自尊心が低い原因となる親の言動、高める子育て

自己肯定感とは「自分は大切な存在なんだ」「自分は愛されている」と思える気持ちを表す言葉。自己肯定感が低い子どもは親のNG言動が原因となっていることも……。自尊心を高める子育てとは?

最近は日本でもかなり「自己肯定感」という言葉は広まってきたように感じますが、諸外国に比べると、子ども自身の自己肯定感は、まだまだ低い傾向にあります。自己肯定感の説明とは何か、自己肯定感を低くする代表的なNGワード5つと、その場面でどのように言い換え改善すればよいのかを詳しく説明していきます。
   

「自己肯定感」が低いことが子供の諸問題の根底にある?

昨今、青少年に関わるさまざまな事件やニュースが世間を賑わし、その度に親のしつけや子育てを問われる場面をよく見かけます。

また卒業後も、生活を親へ依存し続けたり、目標を見つけられず、無気力な若者の話も聞きます。そのような子どもは、親に愛されずに育った場合もありますが、中には子育てに熱心だった親に育てられた子どももいます。

親が一生懸命子育てしたにも関わらず、自己肯定感が低い子どもに育つ原因は何なのでしょうか。それは親が子育てに熱心なゆえに、気づかず子どもの自己肯定感を低くする言葉を言ってしまっていることが要因の大きなひとつです。
 

自己肯定感とは「自分は大切な存在」という気持ち

自己肯定感を辞書で引くと、

自分のあり方を積極的に評価できる感情、自らの価値や存在意義を肯定できる感情などを意味する語
(実用日本語表現辞典)

とあります。
これを分かりやすく言うと、「自分は大切な存在なんだ」「自分は愛されている」「自分は生きているだけで価値がある」と思える気持ちを表す言葉と言えるでしょう。
 

自己肯定感が低い子どものサイン:「どうせ私なんか……」が口癖

「自分は大切な存在なんだ」「自分は愛されている」といった気持ちが持てない自己肯定感の低い子どもは、
「どうせボクは……」
「ワタシなんか……」
という言葉を口にすることが増え、自己卑下をし、何事にも意欲を持てないことが多いでしょう。また自分に自信がなく、人との関わりも苦手で、すぐにキレたりする場合もあります。

親から虐待や暴力を受けたり、愛されずに育ったなどの過去がある子どもは、自己肯定感が低くなります。一方、子育てや教育に熱心な親に、愛情をかけられ育っても、自己肯定感が低い子どももいるのです。
 

自己肯定感が低い原因となる親のNG言動1:子どもの感情を受けとめない

子どもが悲しかったこと、悔しかったこと、また嬉しかったことなどを話した時、
「泣いたって仕方ないでしょ!」
「悔しいなら、その時言えばよかったんじゃない」
「それくらいで喜んでいたらダメよ」
などと言うことはないでしょうか。

ぐずぐず言っている子どもに対し、イライラしたり、些細なことで喜ぶ姿に歯がゆく感じ、その感情を否定したり、気持ちを受け止める前に解決策を言ってないか振り返ってみましょう。このような言動は、子どもの自己肯定感を低くする原因の1つです。

■子どもの自己肯定感が高まる改善アドバイス
子育てに一生懸命頑張っている親ほど、すぐに解決策を言ってしまいがちですが、一旦は子どもの気持ちを受け止めてあげてください。
「悲しいよね」
「悔しかったんだね」
「それはママもとっても嬉しいわ!」
など共感することを心がけましょう。
 

自己肯定感が低い原因となる親のNG言動2:子どもに大きな期待をかける

子どもに期待をすることは悪いことではありません。親が、子どもの可能性を信じることは、親子の信頼関係を深めることにも繋がります。

ですが、あまりにも期待が大きすぎると、子どもは負担になり、親の期待に押しつぶされることもあります。また今の努力を認められないと報われない気持ちになったり、親の期待に応えられない自分に対し、
「自分はダメなんだ」
「ママをガッカリさせている」
と感じ、自信を失くし、自己肯定感が低くなります。

子どもの自己肯定感が高まる改善アドバイス
子育てや教育に熱心な親ほど、更なる上を望みがちです。ですが子どもが今、できていることは、精一杯努力した結果かもしれません。

「よく頑張っているね」と、
子どもの「今」を認め、それに至るまでの努力した過程を褒めてあげましょう。
 

自己肯定感が低い原因となる親のNG言動3:兄弟姉妹や友達と比べる

「お姉ちゃんは、漢字テストいつも満点だったわよ」
「お隣の○○君は、スイミングでクロールができるらしいよ」
など、兄弟姉妹、友達と比べたりしていないでしょうか。

親とすれば、子どもの意欲に繋がれば、と思って言う場合もあるかもしれませんが、言われている子どもにすれば、比較された相手に比べ、自分は劣っていると受け取り、自己肯定感が低くなる原因となります。

子どもの自己肯定感が高まる改善アドバイス
そのような時は
「前より、漢字テスト10点も上がったわね」
「背泳ぎ、上手になったね」
と、過去の本人と比べましょう。
 

自己肯定感が低い原因となる親のNG言動4:子どもに「早く」が口癖

いつも「早く」「急いで」が口癖になっていることはないでしょうか。
「早く宿題しなさい」
「急いで準備して、急いで!」
などと、子どもに遅刻させたらいけない、時間に間に合わせなければならないと、つい言ってしまいがちな言葉です。

完璧主義な親ほどよく言う「早く!急いで!」の言葉なのですが、これは子どもに考える余裕を与えないだけでなく、子どものペースを否定していることになり、自己肯定感が低くなることにつながります。

子どもの自己肯定感が高まる改善アドバイス
その場合は
「まだ宿題しなくて大丈夫?」
「8時のバスに乗るから、7時30分までに朝食を食べようね」
自分で考えるような言葉がけや具体的な時間や行動で促しましょう。
 

自己肯定感が低い原因となる親のNG言動5:子どもが失敗した時に怒る

子どもが失敗した時、親は
「だからダメだ、って言ったじゃあない」
「いつもあなたは失敗ばかり」
と失敗したことに対し怒ったり、責めるような言葉を言ってないでしょうか。

親としては、責めるつもりはないのですが、子育てに一生懸命な親ほど、成功させてあげたい、うまくいって欲しいと思い、つい出てしまいがちな言葉です。子どもが失敗したときに責めるような親の言葉は、子どもの自己肯定感を低くします。

子どもの自己肯定感が高まる改善アドバイス
そのような時は、
「また頑張ればいいよ。次はきっと上手くいくよ」
「挑戦したあなたは立派ね」
と言って、親は子どものガッカリした気持ちを癒す存在になってください。そうすることで、子どもはまた意欲を持って挑戦するでしょう。
 

子どものしつけや学習は、自己肯定感の上に培われる

「あなたがいるだけでママは幸せ」「どのようなあなたでも大好きよ」と子供に言って抱きしめてあげましょう

「あなたがいるだけでママは幸せ」「どのようなあなたでも大好きよ」と子供に言って抱きしめてあげましょう

親はともすれば勝手なもので、子どもが病気になれば、「勉強なんていいから、早く治って。健康だったらそれで充分」と思うでしょう。

ですが病気が治ると「もっと勉強できる子に」「もっと礼儀正しい子に」「もっとスポーツ頑張れ!」と「もっと、もっと」を子どもに望んでしまうことはないでしょうか。

躾も勉強も礼儀正しさもスポーツも、自己肯定感の上に培われていくものなのです。「もっと」を望むことで、自己肯定感が育まれなければ、それは逆効果になるでしょう。
 

ママも時にはリラックスして自分を振り返りましょう

子どもの自己肯定感は、ありのままを受容することで育まれていきます。子どもが親を求め、甘えてきた時も、反抗し距離を置こうとした時も、子どものその気持ちを認めてあげましょう。それら全てが、成長していく過程として意味があるのです。

何かができてもできなくても、笑っている時も泣いている時も、全てひっくるめてその子自身を愛してあげましょう。

時々、親も気持ちをリラックスさせ
「あなたがいるだけでママは幸せ」
「どのようなあなたでも大好きよ」と言って、子どもを抱きしめて
あげるといいですね。
 

子どもの自己肯定感を高めるには、日々の積み重ねが大切

今「子どものため」と思い、言っている言葉が、実は子どもの自己肯定感を低くしているかもしれません。NG言動をつい言ってしまっていないか、日常を振り返ってみてください。

そして子どもの「自分は愛されている」「自分は大切な存在なんだ」という気持ちを育んであげましょう。ひとつひとつの日常の関わりが子どもの自己肯定感を高め、その毎日の小さな積み重ねが、やがて子どもに大きな影響を与え、人生をより充実したものにするでしょう。


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※乳幼児の発育には個人差があります。記事内容は全ての乳幼児への有効性を保証するものではありません。気になる徴候が見られる場合は、自己判断せず、必ず医療機関に相談してください。