ヘレンメリルの名盤など……ジャズのおすすめ3選
ヘレンメリルの名盤など、ジャズのおすすめ
あなたはそんなふうに思っていませんか?
ジャズに興味はあるのに「難しそう」と感じる人や、「聴いてみたいけれど何から聴けばよいのかわからない」と感じる人が多いそうです。そんな人のために今日は、これからJAZZを聴いてみたいあなたにお勧めのCDベスト3をご紹介しますね。
ジャズは「どこかで聴いたことがあるな」と感じる曲からはじめるのがポイント。最初の一枚にオススメするのは、やっぱりこれです。
最初の一枚を買うならこれがオススメ!
有名女性歌手ヘレン・メリルのCD「ヘレン・メリル・ウィズ・クリフォード・ブラウン」ヘレン・メリル・ウィズ・クリフォード・ブラウン
この演奏は今から半世紀以上も前の1954年、暮れも押し迫った22日から三日間で録音されました。手に取るとまずジャケット写真の素晴らしさに目を奪われます。まるでヘレンの熱唱が聞こえてきそうな素敵なデザインです。
さあ、CDをセットしたらちょっと沈痛とした一曲目の「ドント・エクスプレイン」……は思いきって飛ばし、二曲目の「ユード・ビー・ソー・ナイス・トゥ・カム・ホーム・トゥ」から始めましょう。
出だしの、なにか暗雲を思わせるバリトンサックスの音色から急に光が差すように瑞々しいトランペットが現れ、ついには有名な彼女の歌声が始まります。JAZZを知らないという人でも、この曲は一度は聞いた事があるはず。
24歳のヘレンの歌声は、ハスキーでセクシー、そしてちょっぴりコケティッシュな魅力に溢れています。ヘレンはこの後「ニューヨークのため息」と大人の女性の代表のように呼ばれます。その彼女の初々しくも記念すべき初リーダー・アルバムがこちらです。
このアルバムを作る際に歌姫ヘレンのために駆けつけたナイトは二人。元気で若々しいトランペットのソロは、ヘレンと同じ歳の24歳になったばかりのクリフォード・ブラウンという超有名なトランペット奏者です。
このアルバムが世に出た二年後には、自動車事故で早世してしまう彼のメロディに溢れたソロは、歌姫ヘレンを助けるナイトの気概にあふれています。
もう一人のナイトは、当時は若手アレンジャー(編曲家)だったクインシー・ジョーンズ。
クインシー・ジョーンズは知らなくても、後に自身グラミー賞を何回も受賞し、世界的大ヒット「スリラー」などでマイケル・ジャクソンのプロデューサーとしても有名になった「ミスターQ」と言えば、「ああ、あの人か」とお分かりになるかもしれません。
クインシー・ジョーンズが手がけた有名な曲は他には「愛のコリーダ」や「ウィーアーザワールド」などもあり、皆さんも必ず一度は聴いたことがあるのではないでしょうか。そんな大物もこの時はJAZZ界で駆け出しの弱冠21歳。
このアルバム「ヘレン・メリル・ウィズ・クリフォード・ブラウン」は歌姫ヘレンのみならず、有名アレンジャー、クインシーの出世作とも言えるものです。
さて、二曲目の「ユード・ビー・ソー・ナイス・トゥ・カム・ホーム・トゥ」が終ると、三曲目からはしっとりと味わい深いバラードが続き、いよいよ七曲目、最後の曲の「ス・ワンダフル」が始まります。
高らかなクリフォード・ブラウンのトランペットの出だしに続きシャカシャカと軽快なドラムのブラッシュに乗って「なんて素敵なの、信じられない」とまるで少女のように興奮を抑えきれない様子で歌いだすヘレンがいます。
この「ス・ワンダフル」もテレビなどではおなじみの人気曲です。たくさんの有名プレイヤーが演奏しているこの曲ですが、ヘレンの歌声はその中でも代表的なものと言えます。
この曲の歌詞、そしてウキウキとした声を聴いてみてください。このCDのために駆けつけた二人の頼もしいナイトの出現に喜ぶ歌姫ヘレンの高揚感が、60年間という隔たりを飛び越えてこちら側にも伝わって来るようです。
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二枚目を買うなら、このCDがおススメ!
有名サックス奏者、ジョン・コルトレーンのCD「バラード」バラード
たとえばあなたが恋人と二人で、夜景のきれいなホテルのディナーショウに出掛けたとしましょう。フランス料理のコースに高級なワイン。ラグジュアリーな雰囲気に恋人の瞳はキラキラ。普段とは違う互いの姿にほれぼれと微笑み合う瞬間を想像してみてください。
こんな時に流れてくるのに最もふさわしいと言えるのが、このCDの一曲目に入っているバラード「セイ・イット」です。
テナーサックスは人の声に似ていると言われますが、ここでのコルトレーンのサックスはまさにシンガーです。彼はアドリブが達者なことで有名なサックス奏者なのですが、そのコルトレーンが、普段の少し行きすぎるアドリブを抑え、ただひたすらメロディを二人のために歌いあげます。可憐なピアノの伴奏も、まるで寄り添う恋人のようです。
続いてはじまる二曲目「恋の味をご存じないのね」では、大人の恋について語り、四曲目の「オール・オア・ナッシング・アット・オール」で今後の二人の展開について思いきって相手と話し合ってみるのも良いかもしれません。
でも、ほどほどに。恋愛は相手に迫るばかりではいけません。六曲目の「ホワッツ・ニュー」というタイトルの曲をバックに、相手の話をたくさん聞いてあげるというのはいかがでしょう。「今日は、本当に素敵だった」と評価が上がるのは間違いありません。
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もし、このCDが気に入ったら、ぜひ同じ雰囲気のCD「ジョン・コルトレーン&ジョニー・ハートマン」も聴いてみてください。
ジョン・コルトレーン&ジョニー・ハートマン
こちらのCDにはヴォーカルが入っているので、歌詞も楽しめます。
ますます艶っぽいサックスの音色を奏でるコルトレーンに、シブい伊達男のハートマンのバリトンヴォイスが絡み、しっとりとした大人の恋を歌いあげます。ハートマンの低い艶やかな声が大好きだという人はたくさんいます。コルトレーンの名演と相まって一度は聴く価値があります。
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三枚目に聴くべきCDはこれ!
有名ピアノ奏者デイブ・ブルーベックのCD「タイムアウト」タイム・アウト
ジャズというと夜のイメージが強いと思いますが、この一枚はフレッシュな月曜の朝にピッタリです。楽しかった日曜日が終わり、あなたにとって一週間の始まりとも言うべき月曜の朝六時半、セットした目覚ましが鳴り響いているところを想像してください。
あなたは、どうにか起き上がり、CDのスイッチを押します。一曲目の「トルコ風ブルーロンド」が軽やかに始まりました。クラシカルな変拍子のテーマが、まだ眠いあなたを少しずつ目覚めさせます。部屋の空気を入れ替えて、トースターとコーヒーをセット。二曲目のゆったりとした「ストレンジ・メドウ・ラーク」が流れてきます。
そのままパソコンでメールやニュースにざっくり目を通し、パンとコーヒーを持ってテーブルについたあなた。ジャストなタイミングで三曲目「テイク・ファイブ」が始まります。有名ピアノ奏者ブルーベックによる、印象的な出だしは、あなたもきっとどこかで聞いたことがあるはずです。
作曲者でもあるポール・デスモンドのクールなアルトサックスの演奏は、あなたの一週間の始まりをスッキリと演出してくれます。
この「テイク・ファイブ」はあらゆるジャズの中でも、もっとも親しまれている曲で、CMなどでも有名です。
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最後にJAZZの攻略法をちょっとお教えします
難しいと思われているジャズにも知っている曲があることに気がつけば、あなたのジャズに対する考えも変わるかもしれません。ジャズはジグソーパズルと同じで分かるところから始めるのが攻略法です。知っている曲、好きな曲から広げていくうちに、あなただけの「こだわり」が見つかるでしょう。
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