食と健康/食と健康の基礎知識

意外に知らない? たんぱく質のこと(2ページ目)

私たちの体の組織を作り、またホルモンや酵素などの材料となり、必要不可欠なたんぱく質。そのたんぱく質は、どれほどとればいいのでしょうか? 意外に毎日摂りすぎてたかも・・・。ダイエットしずきの人は、もっと必要かもしれません。たんぱく質の必要量を中心にまとめてみました。

南 恵子

執筆者:南 恵子

NR・サプリメントアドバイザー / 食と健康ガイド


たんぱく質の必要量は、条件に左右される

大豆

大豆は、植物性ですが、アミノ酸バランスのとれた良質のたんぱく質源です。

例えば古くから、エネルギーの摂取量によってたんぱく質の利用効率は変わることが知られています。同じたんぱく質の摂取量でも、エネルギーを余分に摂ると体内ではたんぱく質の蓄積量が増えて、たんぱく質の必要量は減ります(これを「エネルギーのたんぱく質節約作用」といいます)。逆にエネルギーが不足すると、たんぱく質はエネルギー源として利用されたんぱく質の利用効率が低下し、必要量が増えます。

また激しい運動をすると、運動中に筋たんぱく質の分解が促進されるため、たんぱく質の必要量が増えます。しかし極端に運動量が少ない場合も、たんぱく質の利用効率が低下して、必要量が増えると考えられています。適度な運動(軽度ないし中等度の運動=200~400kcal/日)を行った場合には、たんぱく質の利用効率が高まり、必要量を抑えることが報告されており(審議資料)、運動=必要量が増加、とは単純にみなすことはできないようです。

また感染症や外傷などによっても、たんぱく質の必要量は増えます。食事量が減りがちで運動もほとんどしないような高齢者の人は、若い世代よりもたんぱく質の必要量が増えるケースもあり、個人差が大きいのです。

他にも、たんぱく質の摂取量が増えれば、たんぱく質の代謝にかかわるビタミンB6も必要量が増えますし、鉄分はたんぱく質と一緒にとると吸収率が高まります。このように単一の栄養素だけでなく、様々な栄養素やエネルギーがお互いに関わり合っているのです。

不足しても摂りすぎても体の負担に

もしたんぱく質が不足すると、子どもなら成長不良に、また体力や思考力が低下するなど、体全体の機能が低下することにつながります。一方、とり過ぎも体に負担をかけます。余ったたんぱく質は、脂質として蓄積されますが、尿中にも排泄されるため、とり過ぎると腎臓への負担が多くなります。またカルシウムの尿中排泄量が増加したり、糖の代謝に関わるインスリンの働きが悪くなったりします。

糖質を控えたダイエットが話題ですが、医師や管理栄養士の管理指導の元一時的にするならともかく、安易に情報だけを受け止めて極端に糖質だけを抜き、たんぱく質を過剰にとったりすると、体に負担となったりすることがあります。
   

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