「貸与奨学金」は利用前に返済イメージを!
約97万人が利用している日本学生支援機構の奨学金は、利子のないタイプもあるものの、原則、貸与型です。つまり返済しなくてはならない借金です。例えば機構の第二種奨学金を月5万円、4年間利用して、合計で240万円借りた場合で試算してみましょう。返済は月1万4428円を180回(15年)になります(注:金利が1%だった場合)。合計では259万7188円になります。
月1万4428円とはいえ、初任給手取り15万~16万円の給与の中から返済を続けるのは負担です。借り入れがもっと大きければ、もっと返済額は増え、負担も大きくなります。
ここ最近の就職難で、奨学金の滞納も増えています。3ヵ月以上の滞納者は個人信用情報機関に登録させられることになっていますが、登録件数は現在1万300件(2012年2月時)。いわゆるブラックリストに載ることになれば、住宅ローンなどの借入ができなかったり、クレジットカードが作れないなどの影響が出ます。
日本学生支援機構の奨学金は、入学前に予約をしておいて利用するのが、賢い利用法です。
参照記事:予約採用奨学金って何?
給付型奨学金も狙おう
最近は、返済が不要の給付型奨学金も増えています。特に少子化の中、よい学生を集めるためにと、大学が独自に設ける奨学金が増える傾向にあります。内容としては学費の一部免除や奨学金の給付、教育ローンの利子補給など、いろいろなタイプがあります。他にも、自治体や企業、財団などで給付型奨学金を設けているところも。これらの情報は随時募集をしているものも多いため、入学後に掲示板や学生課などでこまめにチェックを。金額は小さくても、他の奨学金と併用できるものも多いので、重ねて申請するといいでしょう。
◆ひとこと◆
奨学金を利用する(した)学生は、提供者への感謝の気持ちを忘れないで欲しいと思います。そしていつか、社会に還元できるように、しっかり学んでほしいものです。
【関連記事】
・ 大学独自の予約給付型奨学金が増加中!
・ 「予約奨学金」ってどんなもの?