カルダーのモビールのよう空間に浮遊するデスクライト
机上の空間を演出するデスクランプ「TIZIO:ティツィオ」がある。筆者がインテリアやファニチャーデザインを初めた頃からのお気に入りのアイテムのひとつ。とにかく、構成=コンポジションの造形が抜群に美しい。
支柱を含め3本の『ブラック』(細い金属製角パイプ)アームと円筒形のベース、『レッド』(プラスチック製)のジョイント、スイッチ部分、シンプルなパーツで構成されている。『ブラック』と『レッド』……20世紀モダンデザインの代名詞的なカラーリングによるコンポジションは色褪せることなく時空を超える。
それまでのバネやネジを用いた昇降機構から脱したデザインアイデア。
光源を包んだヘッドアームとウエイト(バランサー)のあるアームが交差し、全体のバランスをとる。光源の12Vの低電圧ハロゲンランプのトランスはベースの中に、ベースから光源の配線はこの細いアー ムの中に仕込まれている。徹底した機能主義デザインがストイックであり華麗である。
光源が自由な位置で止まり、空間に浮遊する………まるで、アレクサンダー・カルダーのイタリア版モビールのようである。
引用:アレクサンダー カルダー アートポスター
「TIZIO:ティツィオ」とはイタリア語で「ある人……」という意。単なる『モノ』ではなく、しっかりと存在する『人』の形容であろうか。。。それも親しみをこめて。
ド イツ生まれのイタリア人プロダクトデザイナー:Richard Sapper(リチャード・サッパー)が1972年に発表。彼はヒットモバイル、IBM Think Pad(中央にあるカーソルポイントが赤いヤツ・・・・TIZIOと同じテイスト)や自動車、オーディオ機器等幅広い領域でデザインしている………ジオ・ポンティエの事務所出身と聞けば、建築的なデザインテイストはうなずける。
ニューヨーク近代美術館のパーマネントコレクションアイテム。
アームにデザイナーのサインが刻印されたシルバータイプもある。ちなみに筆者はコントラストの効いたブラックタイプを愛用している。
■ 「TIZIO」
・デザイン:Richard Sapper(リチャード・サッパー)
・ブランド:Artemide(アルテミデ)
・サイズ :W970 D905 H1,090
・素材 :鋼塗装仕上 プラスチック
■ 販売
→ヤマギワ
→ hh style.com
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■今回の関連リンク
→ 石川尚の【気になるデザイン】バックナンバー
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