和の明かりを極める

アメリカの大手旅行雑誌「トラベル+レジャー」で昨年に続いて2年連続、世界一の観光都市に選ばれた京都。今や寺院などの名所旧跡だけではなく、街の至る所に海外からの観光客で溢れている状況です。

その京都の八坂神社近く四条通りに面したところに、和風の照明器具店があります。夜になると温かな和のあかりが店から漏れ出て、京の街並みに溶け込みます。

お店は「三浦照明株式会社」と言って、和風照明器具の製造販売に特化し、手づくりであかりを作っています。
三浦照明ファサード

写真1. 京都の四条通りに面した三浦照明のお店


今から120年近く前の1890年(明治23年)、大津~京都を結ぶ琵琶湖疎水の第一疏水が完成し、翌1891年には日本初の営業用水力発電所・蹴上発電所によって、京都の町に電気のあかりが灯りました。

初代三浦大次郎氏がこの琵琶湖疎水工事の電気工事に関わったのが、三浦照明のはじまりです。物がない時代、電気工事業と共に家電製品や照明器具を自分達の手で製造し販売していたのです。

和風の照明器具は30~40年ほど前まで、その種類は豊富にあり、当時大手照明メーカーでもカタログの多くのページを割いていました。近年では建築・インテリアの洋風好みのせいで和風器具は減少傾向にあると言えます。

しかし住宅における洋室の普及率の高さとは裏腹に、和室を作りたいという人もかなり多く、それに伴いむしろ質の高い和のあかりへの拘りが高まっているようにも感じます。

三浦照明のあかりづくりはお客様の要望を聞くことから始まります。お客様と相談のうえデザインと素材が決まると職人が一つ一つ手作業で制作します。

そして、和紙やスパンシートなどの要望の素材で笠貼りを行ったり、塗装を施すなどの仕上げを行い、最後に光源部を取り付け照明器具として完成させます。もちろん照明器具は耐圧試験や絶縁検査などの安全性のテェックを厳重に行って納品されます。

このような過程を経て制作された照明器具の中には有名旅館やホテル・料亭などに取り付けられ、それらの空間に欠かせないあかりとなっています。

三浦照明は既製品も扱っています。既製品器具はネットで購入することもできますが、実際にあかりの効果を見たい場合は京都に行かれたおりにお店に立ち寄ってみることをお勧めします。

次のページでは「数ある既製品器具の中から代表的な商品」についてご紹介します。