照明・LED/照明・LED関連情報

国宝白水阿弥陀堂 ソーラー発電の紅葉ライトアップ(3ページ目)

福島県いわき市の国宝白水阿弥陀堂の紅葉のライトアップは、照明器具は全てLED、電力はソーラーパネルを利用して供給するエコロジーな照明計画です。国宝である阿弥陀堂の歴史性を強調し、浄土庭園である多様な樹木の配置を生かすように照明計画を行いました。

中島 龍興

執筆者:中島 龍興

照明ガイド

LED照明の使い分け 

いわき市指定天然記念物の大イチョウ

写真7..いわき市指定天然記念物の大イチョウ

今回使用したLED照明の使い分けは下記の通りで、省エネルギーへの配慮だけでなく、LEDであればこそ実現できた照明効果でもあります。昼だけでなく、夜もよりその美しさを際立たせるように照明しています。

・阿弥陀堂の背景の樹木
針葉樹の高木が多いため、その緑をより鮮やかに魅せるため、白色光(5000K)で、より高さ方向を照明できるように集光型を使用しています。

・阿弥陀堂内
本尊の阿弥陀如来をはじめ木彫の歴史性を強調するため、より暖かみのある電球色(2700K)で照明しています。阿弥陀堂内から漏れる暖かな光と背景の樹木のライトアップの白色光との対比によって、奥行き感の演出と阿弥陀堂の屋根の曲線美を強調する効果を狙っています。

・大イチョウ(いわき市指定天然記念物)などの高木
温かい色の光で照明した低木

写真8.暖かい色の光で照明した低木

名物でもある大イチョウは、紅葉の黄色を生かすように暖かな光で、さらに高さ方向を明るく出来るように集光型のLEDランプを使用しています。樹木照明用の光色は阿弥陀堂の照明の2700Kよりも少し白い3000Kを主体とし、紅葉している樹木も緑が鮮やかな樹木も両方がきれいに見える光色にしています。

・もみじなどの低木
もみじは低木から中木まで、高さも枝ぶりも多様なため、照明器具は、低木用の2700K、中木用は3000Kの光色で使い分け、もみじの赤みと多様な枝ぶりを夜間でも美しく表現できるよう散光型で高さ方向よりも横方向をカバーできるように照明しています。

阿弥陀堂内の写真撮影は禁止されていますので、堂内をご紹介することは出来ませんが、今回のイベントを機に堂内もLED化しています。堂内には本尊の阿弥陀如来像、観世音菩薩立像、勢至菩薩立像、持国天王立像、 多聞天王立像が祭られ、国の重要文化財に指定されています。

白水阿弥陀堂がライトアップされるのは、今回が初めてですが、新聞などに掲載された効果もあり各地から多くの参拝客が集まっていました。観光に訪れることで震災復興につながれば、という思いの方も多くいらしたと聞いています。紅葉のライトアップイベントは2012年11月20日まで行われますので、ぜひお越しください。
阿弥陀の内部もLEDで照明している

写真9.阿弥陀堂の内部もLEDで照明している

【場所】
白水阿弥陀堂願成寺
【イベント企画】
白水阿弥陀堂紅葉ライトアップ実行委員会(リプロ内郷企業組合内)
【照明計画】
中島龍興照明デザイン研究所

【関連記事】
国宝白水阿弥陀堂 紅葉ライトアップのお知らせ
紅葉狩りのすすめ

Copyright(c)中島龍興照明デザイン研究所. All rights reserved

匿名で優良会社にリフォーム相談!

ホームプロでリフォーム会社を探す

  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます