行き詰まったときにふと思い浮かぶ「自分探し」
「このままでいいのかな?」と思ったとき、ふと旅に出たくなりませんか?
たとえば、本を読むこと。エッセイ、哲学書、心理学の本、絵本や童話、職業紹介の本などが、よく読まれるジャンルだと思います。
または、自己啓発セミナーや専門家の講習会、ワークショップに参加してみたり、興味のある資格の講座に通ってみたり、新しいスポーツや趣味にトライしてみたり・・・・・・、新しい行動を起こすことで、自分に合う生き方のヒントを見出そうとする人もたくさんいます。
そして、古くからの自分探しの定番とも言える方法に「旅」があります。遠くは、さすらいの平安歌人 西行法師、近くは、沢木耕太郎の『深夜特急』あたりに共感を覚える人は多いでしょう。
しかし、旅先で「何か」を見つけ、人生を変えるヒントを得られる人もいれば、旅から旅へとさまようばかりで、時間を消費するだけで終わる人もいます。では、「自分探し」という目的を果たすためには、どんな旅の仕方が有効なのでしょうか?
「自分探しの旅」は笑うより行うがやすし
旅先で自分の新境地が見つかることは意外に多い
「自分探し」という言葉からは、浅薄な印象を感じてしまう人も多く、「自分はここにいるのに、どうして旅に出て探すの?」と笑う人もいます。
しかし、たとえば芸術や小説など、何かの作品を生み出す人は、日常化した作品づくりにマンネリを感じたときに、しばしば旅に出ます。旅の空間の中で見た物や風景、人、事象との出会いの中からインスピレーションを得て、新境地を開いた巨匠はたくさんいます。
たとえば、パリに学んだ前衛芸術家 岡本太郎は、国内各地への旅で出会った古びた物のなかから新たなインスピレーションを得て、「太陽の塔」をはじめとする代表作を、意欲的に創作していきました。写真家 木村伊兵衛は、東北への旅路のなかで、戦後劇的に変わりゆく時代の中での農村の有り様に心打たれ、その後の人生をかける撮影のテーマに出会いました。
同じように、私たちが自分自身に新たな切り口を求め、新境地を発見するために、旅で見た物、出会ったことが大きな役割を果たすことは非常に多いものです。人生に疑問を感じたときに、ふと旅に出てみると、そこで出会った物事が何かのヒントになり、その出会いが大きなターニングポイントをもたらしてくれるかもしれません。
旅のセレンディピティが転機をもたらす
旅先でセレンディピティは働いていますか?
まず大切なのは、まっさらな気持ちで旅の時間に身を置きながら、心が揺すぶられる物事との出会いを待つことです。ときには、目的もなくブラブラと歩く町のなかで、そのきっかけに出会えるかもしれません。何気なく言葉を交わした人のつぶやきの中に、そのヒントが隠れているかもしれません。
人には偶然出会ったもののなかに、思わぬ発見や新しい価値を見つけ出す力があり、これを、「セレンディピティ」と言います。このセレンディピティを働かせるためには、先入観のないまっさらな気持ちで物や風景を見たり、出会った人の話に耳を傾けたりする純粋さが必要です。