老後、どんなことが不安?
皆さんは、老後について、どのような不安を持っていらっしゃいますか? NPO法人日本ファイナンシャル・プランナーズ協会(以下、日本FP協会)の「世代別比較 くらしとお金に関する調査2018」によると、老後の暮らしについて不安に思っている(「不安がある」と「どちらかといえば不安がある」の合計)と回答した人は、全体で73.9%にも上るとのことです。老後が気になる世代というと、50代くらいの印象がありましたが、世代別のデータで一番「不安(合計)」の割合が高かったのは、なんと30 代で85.0%でした。
ガイド平野がライフプラン相談でお会いするお客様でも、20代・30代の方から「老後も安心できる家計にしたい」と言われることが多いのですが、全国的な傾向なのだと改めて感じました。
また、同調査によると「人生100年時代を迎えるにあたって不安を感じること」の上位5位は、
1位:「老後の生活設計」(60.4%)
2位:「自身の健康」(57.2%)
3位:「家族の健康」(44.8%)
4位:「年金」(42.3%)
5位:「住まいにかかる費用、住まいのあり方(住む場所や住居形態など) 」(41.3 %)
でした。
「年金」や「親の介護」といった項目は、一昔前までは50代以降の方が多く抱く不安項目だったのですが、今では若い世代にも広がっていることがうかがえます。
よく「人生の3大支出」として、教育・住宅・老後が挙げられますが、この調査は「人生100年時代を迎えるにあたって」とあるためか、20代・30代の方でも、「子ども・孫の世話や教育費」よりも「老後」や「年金」「健康」「親などの介護」の方が不安に思う割合が高くなっています。
特に、「親などの介護」は、20代:32.5%、30代:38.5%、40代:41.5%と、全体平均より5%~10%以上高くなっています。現在20~40代というと、兄弟姉妹の人数が少なく、夫婦で働きながら家計を支えている人や独身の方も多い世代です。親や祖父母等の介護をしながら、仕事を続けられるのかどうか、不安に感じている人が多いということが、この調査にも表れていると思いました。
将来の不安に備えて、専門家に相談する?
皆さんは、将来の不安に備えるために、ライフプランを作ったことはありますか? 最近は、企業内で行われるライフプラン研修や金融機関からのコンサルタントなどの影響もあり、「ライフプラン」や「ファイナンシャルプラン」といった言葉を聞いたことがある、という方が増えているように感じます。実際にライフプランを作った(作ってもらった)ことがある、という人ともたくさん出会いました。
前出の調査でも、全体で60.6%の人が「ライフプランの作成に際して、ファイナンシャル・プランナー(FP)などのお金の専門家に相談したいことがある」と回答したとのこと。「相談したい」と回答した人に、どのようなことを相談したいか聞いたところ、以下のようになりました。
1位:「老後の生活設計」(62.7%)
2位:「家計管理や貯蓄方法」(36.3%)
3位:「年金」(31.2%)
4位:「資産運用」(28.2%)
5位:「介護費用」(25.6%)
6位:「住まいにかかる費用、住まいのあり方(住む場所や住居形態など)」(25.3%)
(日本FP協会「世代別比較 くらしとお金に関する調査2018」より)
冒頭、不安に思っていることとして上位に挙げられていた項目と似ていますが、「住まいにかかる費用」よりも僅差ながら、「介護費用」が上回っているという点が、印象的です。
FPに相談する方法は?
FPに相談するといっても、さまざまな方法があります。大きく分類すると、無料相談か有料相談か、対面方式か非対面方式か、に分かれます。一部ですが、相談できる方法をご紹介します。
【無料相談】
●日本FP協会
FPによる無料相談を体験できます。
・対面方式「くらしとお金のFP相談室」(東京・大阪で開催)など
・非対面方式(電話相談)「FP広報センター」(無料電話相談の窓口)
・全国各地域で開催されるセミナー&相談会(地域フォーラム)も不定期に開催。
開催スケジュール等は随時変わりますので、日本FP協会のHPの中にある「FPに相談する」をご覧ください。
●ファイナンシャルプランナー.jp
登録しているFPに、「FPに無料で相談!掲示板」でアドバイスをもらうことができます。
●専門家プロファイル
登録しているFP等の専門家に、サイト上で相談することが可能です。複数のFPから回答をもらえたり、時間や場所の制限がなく利用できる、という点も便利です。
【有料相談】
無料相談の場合は、相談時間に限りがあったり、一般的な考え方のアドバイスであったりするケースもあります。ちょっと確認したい、どこに相談したらいいか分からない、客観的な判断が欲しい、という場合は、無料相談で解決できることも多いのですが、「お金を払ってでも、さらに詳しく相談したい」という人も増えています。
インターネットで直接、「ファイナンシャルプランナー ( 地域名 )」などと入力して検索する方法もありますが、今はFP検索サイトも数多くありますので、活用してみましょう。
●日本FP協会
日本FP協会のHPからも、地域や条件でFPを検索することができます。
・CFP®認定者検索システム
・会員ホームページのご紹介
「FPに相談する」(希望条件に合ったFPを探す)をご覧ください。
●専門家 プロファイル
「マネー専門家一覧」では、地域や条件からFPを検索することができます。
FPにどんなことを相談している?
日本FP協会では、全国8箇所で定期的にFPによる対面の無料相談を行っていますが、そのうち大阪と東京にある「くらしとお金のFP相談室」を利用した人にアンケート調査を行ったところ、相談内容の上位は、以下のようなものでした。1位:ライフプランの立て方
2位:保険
3位:住宅ローン
4位:家計収支
5位:リタイアメントプラン
このほか、「教育資金」や「金融資産運用」「年金」など、多岐にわたっています。
※「日本FP協会実施 FP無料体験相談『くらしとお金のFP相談室』2017年度実施状況」より
ガイド平野は、日本FP協会が開催する地域のセミナー&相談会等で、無料相談を担当させていただいたことがありますが、その時にいらしたお客様から「漠然と不安だけど、何をどう考えたらいいのか分からなかった。これからやるべきことが分かってすっきりした」「どこに相談したらいいか分からなかったので、来てよかった」というお声をたくさん頂戴しました。「こんなこと聞いてもいいのかな?」「不勉強だから申し訳ない」と恐縮される方もいらっしゃいますが、そのような心配は全く要りませんので、お気軽に利用してみてください。
ぜひご夫婦(カップル)でライフプラン相談を!
相談場所に、ご夫婦のどちらか一方だけがいらっしゃるケースもありますが、できるだけご夫婦で一緒に相談を受けられることをお勧めします。
きっかけは、マイホーム購入だったり、子どもの誕生だったりさまざまですが、夫婦でライフプランを作ると、将来やりたいことを叶えるにはどうすればいいか、不安を解消するためにはどうすればいいか、という目安をたてることができます。
また、FPという第三者が間に入ることによって、普段直接言えなかったことが話せたり、冷静に話し合えたりすることも多くあります。何よりも、お互いの意識を共有し合えて、これからの2人の人生を乗り越えていこう、という想いが強くなります。2人で、ライフプラン相談という備えをしてみませんか?
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