周りに「行き詰まり感」を抱える人はいませんか?
身近な人の「行き詰まり感」に気付いていますか?
たとえば、夫の帰りが遅く、一人で子育てをしなければならず、孤立無援の子育てに、八方ふさがりな孤独感を感じている主婦。
あるいは、毎日遅くまで仕事をし、友だちともゆっくり語り合う時間もなければ、旅行や趣味に割く時間もない。「このままでいいのかな・・・・・・・」と不安になっている社会人。
クラスメートからいじめを受け、心の内を誰にも打ち明けられずに、一人で問題を抱えている学生。
こんなさまざまな「行き詰まり感」を抱える人に、あなたなら、どんなサポートをしてあげられますか?
身近な人ができる4つのソーシャル・サポート
4つのソーシャル・サポートの中から私にできることとは?
ソーシャル・サポートは、主に4種類に分けることができます。
一つ目は、「道具的サポート」。その人の負担を軽くするために手伝ったり、必要な物を提供してあげることです。二つ目は、「情報的サポート」。その人に必要と思われる情報を与えてあげることです。
三つ目は、「評価的サポート」。その人を肯定的に評価してあげることです。四つ目は、「情緒的サポート」。共感的に話を聞いたり、慰めたり、励ましたりして、気持ちを楽にしてあげることです。
あなたならどんなサポートができますか?
話を聞くだけで相手の気持ちを楽にできることも
冒頭の「孤立無援の子育て」に行き詰まっている女性なら、4種類のどのサポートも必要としていそうです。
たとえば、美容院や買い物に行くちょっとの間、子どもを見てもらうという「道具的サポート」を得られれば、どんなに楽になるでしょう。また、「子育てサロンで相談会をやっているよ」というちょっとした「情報的サポート」をもらえば、とても参考になるものです。
「あなたはとてもよくやっている」という「評価的サポート」を受ればとても大きな力になりますし、子育ての愚痴を聞き、「情緒的サポート」をしてあげるだけで、ほっとすると思います。
二番目に紹介した、「仕事に追われる毎日」から不安が募る社会人へのサポートはどうでしょう?
職場の周りの人が「少し手伝うよ」と申し出てくれるだけで、負担は大分楽になるでしょう(道具的サポート)。または、「ちょっと疲れてるみたいね」と声をかけ、今の気持ちをじっくり聞くだけで、その人の不安はかなり軽くなっていくと思います(情緒的サポート)。
三番目に紹介した、「いじめ」を一人で抱えている学生へのサポートはどうでしょう?
「よかったら話を聞かせてくれないかな?」と声をかけ、まずは抱えている思いをまるごと受け止めれば、その人はどれほど安心するか分かりません。
または、「一緒にカウンセラーのところに相談に行ってみない?」と誘って、付き添うだけでも支えになりますし(道具的サポート)、「話しにくかったら、こんな窓口もあるよ」といじめに関するさまざまな相談窓口を案内するだけでも、現状から脱する大きな手がかりになると思います(情報的サポート)。