DTM・デジタルレコーディング/レコーディング・制作ノウハウ

ReWireとVOCALOID周辺が劇的進化

ここ半年でReWire関連が劇的に進化しました。とくにVOCALOID周辺の動きが活発で、これまで不可能と思われていたことが次々とできるようになってきたのです。なかなかややこしいことも多いReWireについて整理してみます。

藤本 健

執筆者:藤本 健

DTM・デジタルレコーディングガイド

ややこしいReWireの様々な問題

ReWire

これまで64bitDAWでReWireが利用できなかった

DTM上級者でも、なかなか扱いが難しいのがReWireです。

ReWireはスウェーデンのPropellerheadが規格化したDTMの通信技術で、同じPC内でそれぞれ独立して動作するDTMソフト同士を接続し、同期するためのものです。ここでは詳細は省きますが、DAWとスタンドアロンのソフトシンセをReWire接続することで、MIDIデータやオーディオデータをリアルタイムにやりとりすることができる、というものです。

ただ、これまで大きな問題がありました。それはReWireは32bitのシステムで、最近増えてきている64bitOSでネイティブに動くDAWやソフトシンセでは利用できなかった、ということ。というのは、Propellerheadが64bit版のReWireシステムを開発してこなかったため、誰も使うことができなかったのです。

長年登場してこなかったため、「もうReWireは終わった」と考える人も増え、ReWire非対応になるソフトも登場してきました。その最たるものがVOCALOID3でしょう。VOCALOID2はReWire対応であったため、DAWとVOCALOID2をReWireで組み合わせて使うユーザーは非常に多かったのですが、VOCALOID3では、それができなくなってしまったのです。


 
ReWire

Cubase 6.5の64bit版がReWireに対応

ところが、VOCALOID3リリース直前になって、突如としてPropellerheadがReWire 64bitを開発してきたのです。これは大きなニュースではあったのですが、問題もいろいろありました。1つ目は、64bit対応のDAW自体がReWire対応しないとすぐには使えないこと。2つ目は64bit同士であればReWire接続できるけれど、64bitのDAWと32bitのソフトシンセをクロスで接続することはできなかったのです。

当初は、各DAWもすぐに対応とまではいきませんでしたが、比較的早い時期にStudioOneとLogicがこれに対応するようになりました。


 
SONAR X1d

SOANR X1dでReWire64bitに対応

そして2012年3月になってからCubase、SONAR X1が次々と対応し、ほとんどの64bit DAWがReWire対応を終えたのです。

しかし、肝心のVOCALOID3は対応してくれないし、VOCALOID2も32bitアプリケーションであるため(VOCALOID3もですが)、せっかくDAWが対応しても、接続することができませんでした。

【関連記事】
Reason6を早速入手、ReWire 64bitはしばらくお預け!?
Cubase 6.5登場でついにReWire 64bitに対応したぞ!
SONAR X1もついにReWire 64bitに対応だ!!

  • 1
  • 2
  • 3
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます