中古住宅・中古一戸建て/中古住宅の購入術

リフォーム中古販売、センチュリー21の挑戦

街の不動産屋でリフォーム付中古住宅が一度で買える--?消費税引き上げ反動後に予測される新築低迷時代の救世主とみられる住宅リフォーム分野に、いよいよ不動産業も進出してきた。既存の住宅リフォーム業界にとって、その宣戦布告の新旗手となるのは、不動産フランチャイズ最大手のあの会社。

河名 紀子

執筆者:河名 紀子

家づくりトレンド情報ガイド

家づくり業界と不動産業界の境界線がどんどん薄く

不動産フランチャイズ最大手センチュリー21・ジャパンが、中古物件とリフォームを一括提供し、双方の住宅ローンも斡旋する新サービス「リボーン21」を9月からスタートする。

風景

「リボーン21」発表風景

当方ならびに当サイトは「家づくり業界」をフィーチャーし、不動産業の動きについてはあまり紹介してこなかった。しかし、ここにきて、いわゆる「街の不動産屋さんに代表される賃貸・新築および中古の売買仲介を手がける不動産業界」と「ハウスメーカー・ビルダー・工務店・デベロッパーなど主に新築住宅を提供してきた住宅業界」との境界線が薄れつつある。

事実、今回センチュリー21の新商品発表に合わせて行われたシンポジウムの題目は「家づくり新時代へ向けての課題と展望」である。家を貸したりAからBに売買したりという「家ありき」でビジネスモデルを展開してきた不動産業界が、「家づくり」という言葉を打ち出すこと自体、これまで考えられなかったことだ。私は個人的にこの部分に非常にセンセーショナルを感じている。

…というわけで、これからの家づくりには不動産業界の動きもウォッチしていく必要が考えているので、当サイトでもあえてその動きも随時紹介していきたいと思っているが、まずは「私も含めて従来の家づくり世界観をとらえている読者諸氏」のために、センチュリー21とはどういう会社か、ウィキペディア解説を参考にしながら押さえておきたいと思う。

今回の新しい一石の意味

社長

挨拶するセンチュリー21の三津川社長

センチュリー21は、1971年アメリカで誕生し、現在は世界73国・地域に8000店舗、従業員数12万人を擁する世界最大の不動産仲介ネットワークである。その中の日本本部であるセンチュリー21・ジャパンは、1983年に設立され、かつて伊藤忠商事が親会社となっていたが、現在は株式50%弱を保有する筆頭株主となっている。現在、北海道を除く30以上の都府県に787(2012年8月同社発表時点)の加盟店があり、不動産売買系フランチャイズとしては業界最大手。

直営店をもたない不動産フランチャイズ事業を専業としており、業種分類上は不動産業ではあるものの、宅地建物取引業者の免許を有しておらず宅建事業を行っていない。そのため、厳密には不動産業者ではない。また、同社のメインの業務が、加盟店に対する業務営業支援という同社の事業形態から考えると、サービス業あるいは専門コンサルティング業等に分類されるのが、業務分類上は正確であるといえる(ウィキペディアより)。

今回、リフォーム実施と工事前物件調査は2012年2月に提携を交わしたパナソニック(株)エコソリューション社のリファインショップ加盟店(ビルダー工務店など)が行うということで、センチュリー21はリフォーム事業も包括した中古住宅売買が可能となったわけだが、とはいえ、これだけの日本内外にネットワーク網と長年のノウハウをもつ同社が住宅リフォーム業界に進出してくる影響は大きいのではないか、とガイドは考える。
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