アメリカの中古住宅の価値は下がらないのに、日本の家は古くなると、どんどん売却価格が下がっていく。これはなぜなのでしょうか。このたび、2人のアメリカ人、ジョージア州出身のDさんとユタ州出身のTさんにお話を伺うことができました。そして、アメリカの中古住宅の価格のカギを握るのは「手入れ」と「デザイン」だということがはっきりしてきました。今回は、この2点から、話をすすめていきましょう。


模様替え感覚で内装や外装に手を入れる

アメリカでは、住んでいる人が頻繁に家に手を入れるのが一般的です。例えば、室内の壁のペンキを塗り替えたり、クロスを張り替えたりする人は多く、木製の外壁の家なら、素人が外まわりのペンキを塗り替えることもあるそうです。


こういった行為は、住まいの手入れというより、模様替えに近い感覚で不定期に、でも頻繁に行われているようで、特に定期的に再塗装するというようなプログラムを持っているわけではありません。インテリア雑誌を眺めていて、「部屋の雰囲気を変えたくなったら即実行!」という具合です。


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リビングでくつろぐDさんご一家。壁面にリースや写真を飾ったり、本棚の上にグリーンを配するなど、気配りがなされています
ジョージア州に住んでいたDさんは、ある日、家に帰ってみると、自宅のインテリアがガラリと変わっていて、驚いたことがあるそうです。「壁のペンキが塗り替えられ、家具の配置が変わって別の部屋みたいになっているんですよ。こういったことはときどきありました。ほとんどの場合は母が一人でやってしまうのですが、ときには父も手伝わされているようです」とのこと。


同様の話は、ユタ州に住んでいたTさんからも聞くことができました。「暮らしているうちにペンキを塗り替えたり、クロスを張り替えたりするのは珍しいことではないですね。アメリカには、日本のホームセンターの何倍もあるような規模の大きな店があって、ここへ行けば、リフォームやDIYに必要な材料や工具は、何でもそろうんです。こういった店は、業者などが利用することもあるくらいですから」と話してくれました。


簡単な方法でイメージチェンジできる素材

Tさんに聞いた話によると、DIYに関心がある人や模様替えなどが好きな人は内外装の手入れも自分でするようですが、高齢者だけの住まいや多忙で時間がとれない場合は、業者に頼んで、住まいに手をいれていく家庭もあるとのこと。自分でするか、専門業者に頼むかは別にしても、アメリカでは暮らし始めてから住まいに手を入れていくのが一般的のようです。


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バックヤード(裏庭)から見たDさんの家。ここでバーべキューを楽しむこともあるそうです
しかし、特に技術を持っていないフツウの人が自宅にたびたび手を入れるということは、素人が扱いやすい素材が多いということです。実際に、壁のクロスを自分で張り替えるのは不可能ではありませんが、素人がきれいに仕上げるのはかなり難しいことです。でも、ペンキの塗り替えならできそうですね。そういう点では、素人でも手を入れやすい素材や仕上げにしておくことが、長く住まいをきれいに保つ秘訣だといえそうです。


では、「デザイン」については、次ページで。