その3. ジェンダー・ハラスメント

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男女の「らしさ」を理由にいじめを受ける「ジェンハラ」

ジェンダー・ハラスメント(ジェンハラ)は、性別にまつわる固定観念によって人を差別したり、性別からイメージされる役割を強要し、活動の機会を奪ったりするいじめです。

相手が不快に思う性的な発言や行為をし、環境を悪化させたり、人権や活動を妨害し、名誉を傷つけることを「セクシャル・ハラスメント」と言いますが、セクハラはジェンハラの一つです。

ジェンハラの代表例には、性別のイメージに合わない行動をからかったり、罵倒するいじめがあります。「男のくせに酒も飲めないのか」と苦手な飲酒を強要したり(ちなみに、望まない飲酒を強要されることは「アルコール・ハラスメント」といいます)、「だから女はダメなんだ」と、職務経験や能力を正当に評価せずにイメージだけで決めつけることは、ジェンハラによくある例です。

いじめが生まれやすい現代、だからこそ相談を

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いじめをしてしまう側もされてしまう側も、気持ちが受け止められる場所が必要

このように、大人の世界にもさまざまないじめがあります。いじめが生まれてしまうのは、いじめる側が、今の自分のポジションに不安を感じていたり、自信がなかったり、過大なプレッシャーを掛けられていたりするせいでもあります。だからこそ、無意識のうちに誰かを否定し、貶めることで、自分の優位性と安全を確認しておきたいという心理が働いてしまうのです。

世情や雇用が不安定で、経済的にも社会的にも先行きが不透明な現代では、多くの人が自分のポジションや展望に不安を抱えています。「いじめはいけない」と認識していても、つい誰かをいじめてしまう例は、今後も増えていくのかもしれません。これを防ぐには、紹介した3つのハラスメントのように、「いじめ」と捉えられる行為を正しく認識することです。

また、いじめられる人はいじめに飲まれず、自分自身の人権と安全を守る意志を持つことが大切です。そのためには、
1. いじめに対して毅然とした態度をとること
2. 「困ります」「それは違います」とはっきり言うこと
3. 周りとのコミュニケーションをよくして、誤解や偏見が生まれやすい環境を防ぐこと
4. 信頼できる誰かに相談して、一人で問題を抱え込まないこと
こうした心がけが必要になってきます。

また、私たちの身近には、人権やいじめの問題を相談できるさまざまな相談窓口があります。たとえば、法務省人権擁護局には人権相談所の電話相談窓口が設けられていますし、地域には労働情報相談センター女性センター男女共同参画センターなどに相談窓口があり、人権問題やいじめの相談に応じています。匿名でも相談することができますし、もちろん、いじめてしまう側の人も相談することができます。

打ち明けるだけでも安心でき、情報やヒントをもらうことでよい対応を考えることができます。ぜひ一人で抱えずに、身近にいる信頼できる人や専門家と一緒に考えていきましょう。
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