収穫期を迎えたスイカ

収穫期を迎えたスイカ

猛暑なときほど甘くてみずみずしくなるというスイカ。原産地は南アフリカのカラハリ砂漠とされていて、4000年前には、すでにエジプトで栽培されていたそうです。その頃は、種を食用にしていたそうですが、徐々に中央アジアなどの砂漠地帯で、みずみずしい果実が飲料として用いられるようになったとのこと。

スイカといえば、大きくて黒い縞模様が特徴ですが、家庭菜園では、あまりスペースをとらず、栽培しやすい小玉スイカがオススメです。
   

スイカの育て方を解説! スイカの栽培スケジュール

スイカの栽培スケジュール

スイカは高温を好むため、苗の植え付けは完全に暖かくなってから。種から始める場合は、温床で3月下旬からはじめます。

 

スイカの栽培に準備するもの

苗からはじめる場合は、病気に強い「接ぎ木苗」を用意します。スイカは高温を好むので、地植えの際は、マルチを使用するのが有効です。黒いビニール製シートで、土を完全に覆うようにし、植え付ける部分に穴を空けて使用します。ホームセンターや農業資材を扱っているお店で売られています。
 

スイカの植え付け方

スイカは、生育初期には肥料は少なめに、玉ができはじめてから肥料が効いてくるのが理想的です。地植えの場合は、苗を植えつける2週間ほど前にスコップで深さ30cmくらいの穴を掘り、完熟堆肥を入れて埋め戻し、目印として棒か何かを立てておきます。畝を整えたら、黒いビニールマルチを張り、肥料を入れた穴の真上に、苗を植え付けるようにします。

プランターの場合は、奥行きと深さのある菜園用プランターを使用し、1つのプランターにつき、真ん中に1本だけ苗を植え付けます。プランターでは、肥料の深さを調整するのは難しいので、通常の培養土を使用し、玉ができはじめてから、液肥で追肥をするようにします。
 

スイカの栽培中の手入れ方法

スイカの雌花

スイカの雌花こんなに小さなときから、すでに縞模様が!

梅雨の長雨の際に病気にかかりやすいので、地植えの場合は、両端の裾が空いたビニールトンネルで覆っておきます。プランターの場合は、太めの針金などでドーム型に支柱を立て、ビニールで簡易な覆いをつくり、雨が当たらないようにしておきます。これらのビニールは、梅雨が明けたと同時に取り外すのがポイント。気温が上がってもずっとつけておくと、かえって生育を阻害してしまうことになってしまいます。

また、専門の農家は、収量を上げたり、形良くつくるために摘芯や摘果を行いますが、自家用の場合は、雑草に負けないよう、除草さえしておけば、あとは放任でOKです。

スイカは、雄花と雌花が別々の品種で、雌花のもとが徐々に膨らんできて実になります。人工授粉すると、確実に実がつき、収穫の適期を判断しやすいのですが、しなくても実はなります。ちなみに、午前10時頃までに、その日に咲いた雄花をちぎり、その日に咲いた雌花の柱頭にまんべんなく押し付けておくと、人工授粉ができます。
 
スイカの行燈仕立て

行燈仕立てにしたスイカ。実が重いので、茎が折れてしまわないよう、ネットなどで身を支えてあげる必要がある。

プランターでは、ときどき、縦につるを絡める行燈仕立てのものを見かけます。これは、余分なつるが伸びないように摘芯しながら手をかけて仕立てていき、実の重さでつるが折れてしまわないよう、ネットで実を支えたりする必要があります。かなり手間が掛かりますが、省スペースになり、見た目にもかわいいので、チャレンジしてみたい方は、是非!
 

スイカの根っこは干瓢⁉︎

スイカ栽培で一番問題になりやすいのが、「つる割れ病」という病気です。これは、土の中の病原菌によって根をやられてしまう病気なのですが、この解消方法として編み出されたのが、「接ぎ木」の技術。「接ぎ木」とは、根の部分となる「台木」と、茎・葉・花などの部分となる「穂木」を組み合わせて1本の苗木とする技術で、病気に弱い新しい品種などに対して、もともと病気に強い品種を台木として接ぎ、新しい品種の弱点を補うというものです。野菜の中で、もっとも早く行われた接ぎ木がスイカで、昭和の初め頃、一軒の農家が試みて成功したそうです。
 
ユウガオ

干瓢の材料となるユウガオ。スイカと同じウリ科の植物。

接ぎ木スイカ苗の台木には、ウリ科のユウガオが使われています。このユウガオの実は干瓢(かんぴょう)の原料になるもので、干瓢畑の写真を見てみると、確かにスイカと良く似ていますね。トマトやキュウリなども接ぎ木苗が主流となっていますが、これらの台木は、それぞれの品種の中から病害虫への抵抗性などから選抜されたものがきちんと台木用の品種として確立されていて、各種苗会社から種が販売されています。こうした新しい技術と、縁の下の力持ち的な品種のおかげで、おいしいけれど病気に弱いというような品種を、私たちでも簡単に育てることができるというわけです。

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