メンタルヘルスチェックが健康診断項目に

ストレスチェックが検診項目に

ストレスチェックが検診項目に

精神障害が労災認定され、裁判などでも会社の責任が問われる事案が増加したのを受けて、企業もメンタルヘルス対策に本腰を入れるようになりました。一方、国はメンタルヘルス対策をさらに推進し、精神疾患の発生を未然に防ぐためにメンタルヘルスチェックを定期健康診断項目に入れようとしています。

「職場におけるメンタルヘルス対策検討会報告書」(平成22年9月取りまとめ)において、定期健診に併せて従業員のストレスチェックを医師が行い、産業医等の面談につなげるという取り組み施策が提言されました。これを受け厚労省で労働安全衛生法の改正案が作成され、現在、国会での審議段階に入っています。

この制度が導入されると、会社で毎年1回定期に実施されている健康診断に併せて「従業員の精神的健康の状況を把握するための検査」を行うことが事業主に義務付けられます。

検査の結果は、検査を行った医師又は保健師から従業員に直接通知されます。従業員の同意を得ないで、かってに事業主に通知されることはありません。

なお外部EAP(メンタルヘルスサービスを提供している企業)を利用している企業などでは、このストレスチェックを定期健康診断と併せて実施しなくても、契約中の外部EAPを通じて実施すればいいようです。

検査結果は従業員にのみ通知されますが、この結果通知を受けて医師による面談指導を従業員が求めてきた場合は、事業主は面談指導を実施しなければなりません。また事業主は面談指導の後で、医師の意見を聴き、必要な場合には、作業の転換、労働時間の短縮など、適切な就業上の措置をしなければなりません。

企業にとっては結構ハードな法改正です。この法改正のポイントは、高ストレス者を産業医等の面談につなげることで、メンタル不調者を確実にフォローするという点と、高ストレス者に対しては事業主にも何らかの就業上の措置を義務付けるという点にあります。企業の負担はストレスチェック費用だけではなく、人事労務全般に及びます。

企業のメンタルヘルスに国が直接介入してきたという点でも、この法改正は見逃せません。