住宅ローンの借入

「フラット35」の融資率が上限9割へ

フラット35がフルローンの取り扱い中止を発表しました。融資の上限が9割へ引き下げられます。自己資金不足をどう賄ったらよいでしょうか?

久谷 真理子

執筆者:久谷 真理子

住宅購入のお金入門ガイド

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フラット35の融資率の上限が、「10割から9割へ」引き下げられます。例えば3000万円のマンションを買う場合、今までなら3000万円まで借りることも検討できたのに、今後は2700万円が上限になるということ。実施は、平成24年4月1日以後の申込みからです。
※フラット35Sエコについては、平成23年度第3次補正予算に伴う制度拡充が終わり次第(平成24年10月31日を予定)9割融資へ引き下げられる予定です。

自己資金は物件価格の15%を目安に準備

家を買うときに、諸費用がかかることはご存じでしょう。仮に、家はフルローンで賄うとしても、諸費用は自己資金で準備するのが原則です。

諸費用は、仲介手数料がいらない新築マンション等の場合で物件価格の5%前後。マンションが3000万円なら、諸費用はおおよそ150万円くらいとなります。

加えて、頭金として10%にあたる300万円は準備しなくてはならないとなると、自己資金として、最低でも15%、つまり450万円は準備しなくてはならないことになります。場合によっては、準備が難しいこともあるでしょう。どうしたらいいでしょうか?

不足分は他のローンで補う

自己資金の準備ができない場合、他のローンの利用を検討するケースが最も多いでしょう。しかし、借入時に全期間の金利が分かっている、当初10年から15年にわたって金利の引き下げが受けられる、といった商品は稀なもの。「できればフラット35を利用したい」という人も少なくないでしょう。

そのような場合は、フラット35パッケージ(いわゆる併せ融資)などで不足部分をカバーする方法を検討します(【参考】住宅金融支援機構HP「フラット35パッケージ」

親からの援助などで自己資金を増やす

自分で資金を準備できなくも、親から援助を受けることができれば、不足部分をカバーすることが可能になります。親からの援助には、贈与を受ける、親からの借入れをする、親と共有にするといった方法が考えられます(【参考】家購入時の親からの援助、気を付けないとトラブルに

なお、贈与制度については、平成24年度の税制改正大綱で延長・拡充が打ち出されています(【参考】平成24年以降も贈与税の非課税措置は拡充・延長

「家賃負担が重くて」など、自己資金を貯められなかった理由は人それぞれでしょう。しかし、頭金を入れるのは健全な資金計画への第一歩です。フルローンには、それなりのリスクが伴うことを認識する必要があるのは言うまでもありません(【参考】100%ローンでも心配ない?
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