住まいのプロが提案「イエコト」/納得できる『住まい選び』のレッスン

本当に住みやすい街を探すには、買う前に借りて住む(3ページ目)

~自分らしい住まい選び12~住みたい街を選んだにもかかわらず、実際に暮らしてみると、思ったほどではなかった……なんてことにならないために、ここに住んでみたいと思う街がみつかったら、少しの間、住宅を借りて住むことをお勧めします。買う前に賃貸住宅に住んでその街を知ることには4つのメリットがあるんです。

大久保 恭子

執筆者:大久保 恭子

これからの家族と住まいガイド

買う前に借りて住む4つのメリット

3、中古ならこの物件の何号室に住みたい!というところまで絞り込める

その街にそれなりの期間住んでいると、通りすがりに色々な中古マンションを観察する機会が生まれます。外観のデザインや外壁のメンテナンスの状況、自転車置き場や駐車スペースの整備状況、日当たりや騒音などを注意して見ることで、どこにどんなマンションがどのように建っているかということの全容が分かってきます。そうすると、おのずと自分にとってどのマンションがいいか具体的物件名が絞り込まれてきます。

物件名が絞り込まれた段階で、駅前の不動産会社へ行き、お目当ての中古マンションが売り出されたら、知らせてと依頼しておきます。そうして個々に絞り込んだ物件の見学をすることを通して、何階の何号室がいいかというところまで分かってきます。そこで更にお目当ての物件のお目当ての部屋が売りに出されたら教えてと伝え、売り出しを待つという、用意周到なことができるのです。これが本当に納得できる住まい選びのノウハウです。

4、住宅相場が分かる

新築、中古物件ともに、自宅のポストや新聞の折り込みチラシの量が増えれば、売り物件が増加していて買い手市場、少なければ売り手市場という市場の動きが分かります。また、駅前の不動産会社の店舗に貼られている不動産広告を定期的にウォッチングしていると、同じような間取り・広さの物件の価格が上下していることも察知できます。チラシの量が増え、店頭の広告の価格が下がり基調であれば、その街の物件は買い時といったことも分かってきます。

ただし、買い時の時点でかならずしも、買いたい物件の売り出しがあるとは限りません。では、どうするか。私は、買い時だからといって、本当に買いたい物件ではないものを妥協して買うことは、お勧めしません。相場が多少上げ基調でも、自分の予算の範囲で買えるのであれば、時期より物件を優先させたほうが、住んだあとの満足度は高いと考えます。

いきなり買わずに借りて住むのは、面倒なことのように思いますが、ひとたびその街にマイホームを持てば、20年、30年、いえ50年住むこともあり得ます。それだけ長い期間、満足に暮らすために、1~2年程度のプレ購入期間はあっても損はないと思うのです。


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