子どもを持もつ予定のふたり家族の住むところは
妻の通勤、子育てを優先して選ぶ
ゆくゆく子どもを持つ予定のふたり家族の住まいは、既に子どものいる家族とほぼ同じ考え方になります。現在子どもがいなくても、あらかじめ住まい選びの条件に、「子育て」しやすい地域という項目を加えておく必要があります。賃貸は子どもが出来た時点でよりふさわしいところに転居ができる分、柔軟ですが、家を持つ場合は家族構成が変わったからといって自宅を売却し同じタイミングで都合の良い家に巡り合う確率は低く、子どもの進学や転向のことを考えると気軽に買い替えはできないからです。子どもを持つ際に、妻はこのまま仕事をつづけるか、家庭に入るかの決断を迫られますが、家を持つという選択をするのであれば、育児休暇やある一定期間子育てのための時短などの制度を活用しつつ、フルタイム勤務は続けることを前提としておきます。なぜなら、大卒女性が28歳と31歳で出産したとして、フルタイムで復帰し働き続けると生涯所得は2億7,700万円、それに対してパートで再就職すると2億2,700万円減少することになるのです。賃金上昇が期待できないなど雇用不安のあるなか、専業主婦やパート勤務という選択は、よほど夫の仕事が安定していないかぎり難しいからです。
子育てするのに人気の高い地域は、環境と選択肢の幅広さ
そこで、妻の勤務先を優先して候補の沿線・駅を選別したのち、更に子育てしやすいという条件で、住むところを絞り込む必要があります。子育てしやすい条件は子どもの年齢に応じて変わってきます。幼児期の子育てを乗り切るには保育園が利用しやすいところ、が重要なポイントになります。夫婦共働きの増加を受けて、駅中に保育所を設ける動きが私鉄沿線では見られるようになってきました。小学校低学年になれば、放課後子供の面倒を見てくれる児童館のあるところ、中学、高校就学時には、塾や進学校に通学しやすいところ、と重要ポイントは変化していきます。このように時系列で変化していく条件をすべて満たすところを、子どもがまだこの世に存在しない時点でアレコレ予想しつつ、選ぶことになるのです。したがって、子どもがいないうちから、教育方針についてもある程度イメージしなければなりません。そんなの無理!というのであれば、教育についての選択肢が幅広い地域をあらかじめ選ぶことになります。
たとえば、小田急線、田園都市線、東横線、京王線、中央線沿線などの人気が常に高いのは、お受験させるにしても、伸び伸び育てるにしても、子どもの教育上の選択肢の幅広さによるところが大きいからでしょう。
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