住まいのプロが提案「イエコト」/納得できる『住まい選び』のレッスン

住まいは家族に左右される3 ~子育て志向のふたり家族(3ページ目)

~自分らしい住まい選び5~将来子育て志向のあるふたり家族の住まい選びをみていきましょう。やはり、住まいのキーワードは「子育て」。そんな子育て志向のあるふたり家族の住まいの条件とは何でしょう。今、共働きの子育て家族に高層タワーマンションが人気なのです。子育てに高層タワーマンションは向かないのではと思ってしまいますが、理由があるのです。

大久保 恭子

執筆者:大久保 恭子

これからの家族と住まいガイド

子育てに向く賃貸は少なく、持ち家にならざるを得ないのが現状 

子どもを持つ予定のふたり家族は、あらかじめ子どもの数を予想しつつ広さや間取りを決める必要があります。子ども一人の3人家族の予定であれば広さは60~70平米・2LDK~3LDK、子ども二人の4人家族であれば70~80平米・3LDK~4LDKがひとつの目安となります。つまり子どもが一人増えると10平米広くなるのです。

借りる、持つについてですが、3LDK以上の部屋数が多く広い住宅は、賃貸マンションやアパートには少なくて家賃も高いという現実があります。借家の場合も同様です。したがって子どものいる3人以上の家族は、予算さえ許せば借りるより買うという選択をすることになるのです。40代の持ち得率が60パーセントを超えていることからも、そうした実態が肯けます。

ファミリー向けの賃貸住宅が少ない背景には、持ち家を推進する国の住宅政策があります。低金利の固定型の住宅ローン提供や住宅ローン減税、贈与税の優遇など持ち家取得には相当の補助がありますが、賃貸住宅にはほとんど補助らしきものはありません。その結果、同じ家賃を払うのなら、買ったほうがいいというわけで、子どものいる家族は持ち家を志向しました。若年層、小家族向けの賃貸アパート・マンションは別として、ファミリー向けの賃貸住宅が普及しなかったのは、そうしたことによるものです。

多様化する日本の家族 

自分の仕事や家族を思い浮かべながら、読んでいただいたあなたは、自分に適した住まいの大枠がある程度イメージできるようになったのではないでしょうか。一方で、自分はここに挙げられた家族のパターンにはあてはまらない。という方も多数いらっしゃるのではないでしょうか。

実は、日本の家族は、多様化の一途をたどっており、正直ここでとりあげた家族はほんの一部に過ぎません。離婚率が35パーセントを超えており、子どものいる夫婦が離婚して母(父)と子のふたり家族、生涯未婚率25パーセントのため40代の独身の子と70代の親が同居しているふたり家族も多数存在します。こうしたふたり家族の住まいについては、長文となるため、今回は触れることができませんでしたが、この先機会があれば、触れてみたいテーマです。

それでは、次回は暮らしの満足度を左右する住環境について解説します。自分に適した住まいのイメージづくりに、住環境は大きな役割を果たすものです。


【関連記事】
ありがちな住宅の衝動買い 後で後悔しないために
買う?借りる?どこに?いくら?は仕事で決まる
住まいは家族に左右される 1 ~ひとり家族
住まいは家族に左右される 2 ~一生DINKSふたり家族
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます