ふたり家族の住まいは、子どもを持つ持たないで大きく異なる
家族は数年経つと変化します。今は独身だけれど、3年後には結婚して、その更に3年後には子どもができる、というように。賃貸住まいであれば、仕事や家族の変化に応じて気軽に引っ越ししやすいですが、持ち家の場合はそう簡単に買い替えはできません。ひとつ先、ふたつ先の人生設計を立て、家族の変化を先取りした、住まい探しが求められます。ふたり家族の住まいは、ゆくゆく子どもを持つか持たないか、持つなら何人か、で大きく異なります。また、前回ご説明したひとり家族でも結婚する意志があれば、住まいは子供を持たないふたり家族とほぼ同じです。さらに、子どもを持つことまで予定に組み込んでいる用意周到なひとり家族の住まいは、子どもを持つ予定のふたり家族と同じ、ということになります。
子どもを持たない夫婦の住むところは妻の通勤優先で選ぶ
子どもを持たずに一生、夫婦ふたりの家族の場合は、住むところ、住まいの形態、借りるか持つかは、ほとんどひとり家族と同じ考え方があてはまります。ただし、夫婦のうちどちらかを主、どちらかはそれに従う立場をとることになります。さて、どちらを主にすべきか。私は妻を優先したほうが、住まいへの満足度は高いと考えます。住む立地から、ご説明しましょう。
子どもを持たないふたり家族は、妻がフルタイムで働く共働きの夫婦が一般的です。妻の勤務先を起点に、ドアツードアで30分~45分圏内にある沿線・駅を選び住むところを決めるほうが家庭生活は円満にいくように思います。理由は、家事の負担は妻のほうが重いからです。仕事と家事の両立を図るなら、妻の通勤時間をできるだけ削減するのが現実的だからです。
女性といえども、仕事へ相当のエネルギーを注ぎこまなければ、リストラを回避しつつ働きつづけることは難しい時代です。ただでさえ、日々自由に使える時間が乏しいなか、長距離通勤に時間をとられたら、家事にあてる時間は平日にはほとんどない、という事態も生じかねません。料理は作れない、片付けもできない、というのであれば生活は荒れていき、何のための住まいか、となってしまいます。
夫は多少通勤時間が長くなることを我慢したほうが、身のためといえるでしょう。もちろん、家事全般は夫が取り仕切るというのであれば、当然夫が優先されるべきですし、週末のマリンスポーツ最優先であれば海に近い郊外という選択もあります。
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