ストレス/身近な人のストレスケア

「GKB47」撤回問題で注目されたゲートキーパーとは?(3ページ目)

自殺対策強化月間のキャッチフレーズに決まっていた「GKB47」の撤回問題で注目された「ゲートキーパー」。これは身近な人を自殺から守るための大切な役割です。誰でもなれるゲートキーパーとはどんな役割なのか、解説します。

大美賀 直子

執筆者:大美賀 直子

公認心理師・産業カウンセラー /ストレス ガイド

自殺念慮の強さ、リスクの程度を確認する 

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自殺リスクが高い人は周りと連携して支える

また、話を聞きながら、その人にどの程度自殺のリスクがあるのかを確認しておく必要もあります。とはいえ、いきなり「死のうと考えていない?」とは切り出しにくいものです。そこで、私はまず「自分なんていなくなった方がいい、なんて思うことない?」とソフトに尋ねるようにしています。

この質問にYESと答えた人には、さらに「もしかして、もう死にたい、なんて思っていない?」と詳しく聞き、肯定された場合にはさらにその自殺念慮がどの程度具体的なのか、死ぬイメージまで具体的に浮かぶのか、毎日のように頻繁にそのことを考えるのか、自殺の手段まで考えているのか、もう準備を始めているのか・・・・・・というように質問しながら、自殺のリスクがどの程度なのかを確認していきます。

リスクが高い場合には、すぐに精神科医療機関につないだり、家族や周りの人と連携するなど、自分自身も1人で抱えずに、細心の注意を払ってその人を守っていきます。

死ぬことを考える人は、「本当は生きたい。でも、万策尽きたから死ぬしかない」という思いを持っています。しかし、本人が「万策尽きた」と思い込んでいても、他の視点から見れば、解決策があるかもしれません。そこで、「今の悩みさえ解決できれば、生きていたいんじゃない?」と話し、「その解決について、一緒に考えていこう」と寄り添う姿勢を伝え、専門の相談機関につなぐなどの対策を考えていくといいと思います。

命を守るゲートキーパーは、1人ひとりの心がけ次第で担うことのできる役割です。怖がらず、偏見を持たずに、身近にいる人の心の変化に気づいて支えになっていきましょう。

また、内閣府ホームページの自殺対策のページでは、ゲートキーパーの概要の閲覧、『ゲートキーパー手帳』のダウンロードができますので、ぜひ参考にしてみてください。
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