初任者研修の特徴
現在のホームヘルパー2級研修(130時間)が初任者研修(130時間)に位置づけられます。現在のホームヘルパー2級資格はそのまま認められ、平成25年4月以降は新しいカリキュラムで構成される初任者研修がスタートします。ここでは職業人として備えるべき基礎をしっかりと学び、考えるケアを実践しながら成長するための素地を身に付けることが目的です。ポイント
- 研修内容は介護福祉士養成課程の実務者研修と連動している。
- 研修で学ぶ知識や技術は、在宅と施設の双方で共有できる内容である。
- 実習によって内容に偏りがある30時間の実習を廃止する。
- 介護技術演習42時間を75時間に拡充する。研修室でベット、車椅子、杖などを使用しながら知識と技術を連動させ学習する時間である。
- 認知症の理解を重点科目として取り上げる。
- 研修を通して3つの評価が段階的に導入される。
・介護技術演習として受講者各々の手順を講師が確認し評価する。
・全科目終了後に修得状況を評価する筆記試験がある。
現場の新人職員との会話で「研修を受けても実際は思うように出来ない」そんな声を耳にします。それだけに得た知識が速やかに実践の場で再確認できるよう演習が重要視されたのです。ここで大切なことは、根拠や理由を押さえた上での技術修得です。実際の介護現場では、その場の環境や対象者に合わせて介護を提供することが求められます。根拠を理解することで状況に合わせ臨機応変に対応することが可能となります。
さらには講義や技術の理解度を確認するため3つの評価が導入されました。一方的な受講に留まらず、適切な段階ごとに復習することで知識や技術の定着は進みます。修得が不足であると判断される受講者には補講が準備されています。
また今回より実習の時間が無くなります。しかし現場に身を置くことで、介護観に通じる何かを感じ取れる時間としては有効的だったと思います。今後は多様な介護現場のイメージを捉えてもらう手段として、視聴覚教材の活用など学校の工夫に期待したいところです。