土地活用のノウハウ/土地活用における税金対策・節税対策の知識

確定申告を人任せにすると賃貸経営に失敗する

賃貸住宅経営に係わる税務のすべてを税理士さんまかせにしているオーナーさんが多いのですが、確定申告はできるだけオーナーさん自身で行いましょう。面倒な確定申告を自ら行うことによって、財産とその状態を知り、長期の経営計画を策定することができます。また賃貸経営におけるキャッシュフローが目に見えるようになり、経営上も精神衛生的にも良いことずくめです。今回は、その確定申告についてお話しします。

谷崎 憲一

執筆者:谷崎 憲一

土地活用ガイド

確定申告は自分でしましょう 

相談しやすくなった税務署の窓口

相談しやすくなった税務署の窓口

確定申告の税理士さん任せは禁物です。確定申告をオーナーさん自ら行うことで、経営に不可欠な長期的な事業計画の視点が養われるのです。

建物の維持管理にも係わってくることですが、私はオーナーの方々には事あるごとに「大家さんの確定申告は自分でしましょう」とお勧めしています。賃貸住宅経営に係わる税務のすべてを税理士さん任せにしているオーナーさんが多いのですが、確定申告はできるだけオーナーさん自身で行い、税理士さんにはチェックだけをお願いするという形が望ましいと思っています。

なぜ、面倒な確定申告をオーナーさん自らですべきなのか。それは確定申告を自分ですることが、賃貸経営を行っていく上で大きなメリットをもたらすからです。

第一に、自分の持つ財産とその状態を知ることができます。
第二に、その知識に基づいて、長期の経営計画を策定することができます。

たとえばオーナーさんが確定申告の作業を始めると、すぐに「減価償却」という項目に気付くはずです。減価償却とは、建物や設備にかかった費用を法律で決められたそれぞれの耐用年数で分割し、毎年の経費として計上していく作業のことです。

この減価償却について勉強することで、オーナーさんは設備の耐用年数についての認識が深まります。何があと何年使え、何がもうすぐ交換時期になるのかを把握できれば、とても重要な長期修繕計画表についても、自ら作成することができるようになるのです。

また経費を自分の目でチェックすることで、日常の修繕、原状回復費用など、賃貸経営において「何にいくらお金がかかったのか」を総合的に把握できます。これに建物、設備の耐用年数の残存期間を合わせることで、いつ、どの程度の費用が必要になってくるかという、より現実的な修繕計画を策定できるはずです。補修やリフォームの費用が経費として計上でき、建物への先行投資が節税につながることにも気付くでしょう。
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