スーツ・ジャケット/メンズファッションショップ情報

サルトリア・イプシロンの優美なオーダースーツ(2ページ目)

ローマとミラノで、長年にわたってサルトリアを構えてきた船橋幸彦さん。彼が手掛けるサルトリア・イプシロンのオーダースーツが、銀座三越と日本橋三越本店で購入することができます。イタリアから取り寄せた副資材を使った、軽やかで優美なオーダースーツを紹介します。

倉野 路凡

執筆者:倉野 路凡

メンズファッションガイド

驚くほど軽く、美しいフルオーダースーツ

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チャコももちろんイタリアから取り寄せたもので、日本とは形も異なる

BUONOとDISTINTOでは仕様が異なるが、共通点も多い。たとえば、ウエストの絞りは細腹ではなく、フロントダーツと脇で絞るなど、イタリアンテーラリングを反映させている。また、芯地などの副資材は、船橋さんがミラノのアトリエで実際に使っていたものを取り寄せるなど、徹底したこだわりようなのだ。

具体的にいうと、軽く柔らかめの毛芯(台芯)とバス(馬毛)芯、硬めの衿芯(麻)、肩パッド用の綿、裏地、袋地、糸類、ボタン(ナットボタン)、チャコ、チャコ研ぎ(シャープナー)までイタリアものである。

アトリエ内で仕立てるDISTINTOの場合、イセ込み(約1.8センチ)などの縫製技術により、肩先部分に少し空間を作り出す。結果的に前肩にも空間が生まれ、日本人に多い「前肩付近が当たってきつく感じる」というストレスを解消している。

また、上衿を左右で4センチ近く入れ込むなどの手法によって、上衿が起き上がり立体的になって、首に吸い付くような綺麗なラインが生まれる。つまり着用感は軽く、動きやすく、見ためにも美しいスーツなのである。

BURNOの場合、ファクトリーメイドということもあり、そこまでのクオリティーには至らないが、芯地(船橋さんが指導して作った出来芯)は同じイタリアから取り寄せた天然素材のものを使用するなど、価格以上のラインに仕上がっている。コストパフォーマンスは高いと思う。

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手作りの肩パッド。中の綿もイタリアから取り寄せたもの

取材時に船橋さんが実演してくれたのが、DISTINTOの肩パッド作り。イタリアのふわふわした綿を少しずつ薄く積み重ねていき、ふんわりとした肩パッドを作る工程だ。この作業だけでも半日はかかるそうだ(笑)。イタリアでも、ここまでこだわっているサルトはいないとのこと。

こうして出来上がった手作りの肩パッドを、肩先に入れるわけだから、とうぜん軽くストレスも少ない。前述の芯地の軽さと相まって、「船橋さんが作るスーツは軽い」と評判なのだ。

まずはBURNOで、サルトリア・イプシロンのオーダースーツの世界を楽しんでもらいた。

【お問い合わせ先】
銀座三越7階 メジャーメイドコーナー
TEL:03-6228-6776(直通)

日本橋三越本店 本館2階
TEL:03-6225-2257(直通)
HP:www.sartoriaypsilon.com

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