土地活用のノウハウ/空室対策・賃貸管理・老朽化

建物を引き立てる、「植栽」から考える賃貸経営!(2ページ目)

建物に気をつかわれるオーナーさんでも、植栽や照明については軽視することが多いものです。ちょっとした植栽の工夫で印象は大きく変えることができ、傾きかけていた賃貸経営を立て直した実例もあります。植栽はそれほど維持の手間がかからず年間を通じて美しさを保ってくれるものなので、まずオーナーさん自ら勉強してみることをお勧めします。照明も同じように、費用以上の効果が見込めますので、是非検討してみて下さい。

谷崎 憲一

執筆者:谷崎 憲一

土地活用ガイド

植栽を選ぶ際は、賃貸経営に適した植栽を選ぶ

賃貸経営に向いた植栽といっても一概には決められませんが、一般にそれほど維持の手間がかからず年間を通じて美しさを保ってくれるものだといえます。まずはオーナーさん自ら勉強してみることをお勧めします。

ご自分の物件に合う植栽をどのようにして知ればよいでしょうか。今の日本で植栽について相談するとしたら植木屋さんになりますが、植栽の手入れの知識はあっても、若い人たちの好みを押さえたガーデニングができるとは限りません。ガーデンコーディネーターを名乗る人たちもいますが、賃貸住宅を専門とする人は少ないのが現状です。しかも人によりセンスの良し悪しが大きく分かれます。

賃貸経営と同様、植栽も全て人任せにしてしまうと思い通りのものにすることは難しく、失敗につながりがちです。まずは、オーナーさん自身が植栽について勉強することをお勧めします。何事も自分でやってみて、ある程度できるようになった上で人に任せるのと、最初から任せきりにしてしまうのとでは、出来上がりの満足度が全く変わってきます。

植栽にしても、今はインターネットで少し探せばいろいろな知識を身につけることができます。お手本となるサンプルにしても、外を歩けばいくらでも見られます。気に入ったり参考になりそうなものがあったら写真を撮って見直すといいでしょう。こうしてオーナーさん自身の目を肥やしていくことです。

賃貸住宅の植栽が一般住宅と違う点は、やはりメンテナンスの手間を考えなくてはならないということです。一般家庭の場合、好んで植えているわけですから、少々手間がかかっても問題はないでしょうし、手がかけられなくてみすぼらしくなってしまったとしても、別に実害はありません。

しかし賃貸物件の場合、きちんと手入れされていなければ、かえって貧相な印象を与えてしまいます。そして、どの季節でもそれなりに美しくないといけません。

その意味では落葉樹は問題が多く、植栽としては常緑樹が中心となってきます。病気に強いこと、日当たりが多少悪くても枯れないような丈夫さが求められます。印象的な植栽を考えるのであれば、たとえば先に挙げたケースのようにシンボルとなる大きな木を中心として、その周りに低木や花壇を配するというのも一つの考え方です。

葉色が濃いものと淡いもの、グリーン系と黄色系のバランス、また日照にも配慮しなくてはなりません。常緑樹を中心とする一方で、紅葉のきれいな樹木を一つ植えたり、初夏に実のなるブルーベリーなど、四季おりおりに入居者の目を楽しませてくれる花や木を配することもいいでしょう。身近な植栽を見て季節を感じることは気持ちの良いものです。
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