不動産の契約は慎重に

「人を見たら泥棒だと思え!不動産の契約を交わす際には、最悪の事態を常に想定しましょう」これは、私が不動産鑑定士試験の「民法」を勉強していた時期に、講師の先生がおっしゃった言葉です。
契約に立ち会う際の“座右の銘”として、私が常に心得ている言葉です。

“不動産取引を安全に行う”いっけん簡単そうに思えることなのですが、契約とは人と人との約束事のため、世の中にはいい人ばかりがいる訳ではなく、一筋縄ではいかないのが世の常識です。

先日、私の知り合いの人が、等価交換事業をめぐって詐欺の被害に見舞われてしまいました。

詳しくは後ほど解説しますが、等価交換方式には、“全部譲渡方式”と“部分譲渡方式”との2種類があります。事件では、このうちの“全部譲渡方式”が用いられ、マンションの建設前に土地の名義をディベロッパー(マンション業者)に移転してしまいました。
ところが、その数日後にディベロッパーが倒産してしまったのです。たぶん計画倒産だと思われます。

恐ろしいことなのですが、この人の元に土地が戻ってこないかもしれません...。

今回からのClose Up!は、「等価交換サギ事件」としてこの事件を紹介し、有効活用に興味がある地主さん、または、不動産コンサルティングを行っている方の参考にしていただければと思います。

ただし、「そもそも等価交換ってナニ?」という初心者の方には、サギ事件の内容が分かりずらいと思いますので、今回のClose Up!では、まず「ところで有効活用ってナニ?」、「そもそも等価交換ってナニ?」というお話をし、次回のClose Up!で、本題の「全部譲渡方式ってナニ?」、「サギ事件の内容とは...」というお話をしたいと思います。