ミシェル・ブラス トーヤ ジャポン (Michel Bras Toya Japon)
オーブラックを思わせる洞爺の自然
フランス中央の内陸のオーブラック(Aubrac)地方のライオール(Laguioleの方言読み)で1999年から今日まで連続してミシュラン三つ星に輝き続ける「ブラス(Bras Laguiole France)」の偉大なシェフ、ミシェル・ブラス(Michel Bras)さんとそのスタッフ達が、最新メニューを引っさげて、 世界で唯一の支店である「ミシェル・ブラス トーヤ ジャポン」に来日し、現在トーヤ ジャポンを任されているジョアン・ティリオ(Johan Thyriot)さんのチームとタッグを組んで、たった一週間限りの特別ディナーコースが提供されました。
ホテルから見える美しき洞爺湖
ミシェル・ブラスさんが「沈黙が支配し、光が満ちている場所」と表現するオーブラックの自然はミシェルさんにとってのすべて。ミシェルさんの人生・愛情・料理のすべてが故郷オーブラックの大地に根ざしているのです。
ザ・ウィンザーホテル洞爺
ミシェルさんがザ・ウインザー・ホテル洞爺リゾート&スパに世界で唯一の支店を出されたきっかけは、「この洞爺の地に支店を出されませんか」というオファーを受けて息子さんのセバスチャンさんと下見に来られた時、故郷オーブラック地方の自然とあまりにそっくりな景観に一瞬にして完璧に魅了され、「この洞爺にライオールの本店と同じスピリットをもったレストランを存在させるチャレンジをしよう」と思われたからだそうです。
Michel Brasさん
こうしてミシェル・ブラス トーヤ ジャポン(Michel Bras Toya Japon)が2002年に誕生したわけですが、その決意の言葉に違わず、ミシェルさんはその後毎年欠かさず、本店(4月~10月のみの営業)が冬季休業に入って間もない秋の一週間、この洞爺に滞在され、自ら来日特別フェアの陣頭指揮を執っておられるのです。
現在の洞爺のシェフ、ジョアン・ティリオさんは2009年に奥様でシェフ・パティシエールのエミリーさんと共にライオール本店から赴任され、ミシェルさん直伝の技術と料理哲学・感受性に基づいて、優れた地元の生産者を発掘し、北海道の素材への敬意と愛情が盛り込まれた料理の数々を編み出してこられました。
Michel Bras Toya Japonの入口
ミシェル・ブラス トーヤ ジャポンはホテル11階に位置。長いアプローチの奥にあるエントランスでスタッフの満面の笑みで迎えられ、「川」が流れる店内を奥へと進みます。明るいフローリングのダイニングルームのインテリアはとてもモダンでシンプル。
テーブル間隔が広くて寛げます
左手には洞爺湖と羊蹄山や有珠山を望める15テーブル、右奥には内浦湾方面が望める5テーブルと、広い店内に全部でたった20テーブルという贅沢な配置の空間です。
洞爺湖を見渡せる店内の様子
晴れた日のランチ時ならミシェル・ブラスさんをも虜にした、この景観も何よりのご馳走となることでしょう。椅子は本店のものと同じ材質で、一見「籐」のように見えますが、実は「紙」でできているとのこと! 壁一面に掛かるオーナメントは本物の「籐」製です。エコなインテリアにも自然を尊重するミシェルさんの哲学が反映されていますね。
ライオールのカトラリー
テーブルに着くとライオール伝統のずっしりと重いナイフに加え、フォークとスプーンの計3本が専用のナイフレストに置かれて、私達を出迎えてくれます。このうちナイフだけはオーブラックの伝統に従い、この食事中ずっと使ってくださいとのメッセージも添えられています。
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ディナーコースの料理を御紹介します。