テクノポップ/アーティストインタヴュー

「初音ミク sings ニューウェイヴ」制作秘話(2ページ目)

ニューウェイヴ・オムニバス『KINGソングス of ニューウェイヴ』と合わせて発表された『初音ミク sings ニューウェイヴ』の発売を記念して、「ニューウェイヴほぼ30周年」の企画をされたサエキけんぞうさん、そして初音ミクのボーカロイドPの方々にニューウェイヴへの思いを語って頂きました。

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

「昆虫軍」を機械に歌わせている!

ガイド:
hatsune miku sings new wave

初音ミク sings ニューウェイヴ

では、先ず10月26日発売の『初音ミクsingsニューウェイヴ』について。
初音ミクものとしては、2010年に『初音ミクsingsハルメンズ』が出ていますが、今回のボーカロイド系職人はハルメンズを手掛けた方々も多いですが、新しい職人もおられますね。

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Disk Union

サエキ:
『初音ミクsingsハルメンズ』は、うどんゲルゲさんという、ベテラン初音Pの方と知り合ったことによって生まれました。もともと初音ミクが売り出されて直後、「『昆虫軍』を機械に歌わせている!」という通報がすぐにあり、「ヤダな~」と思いながらニコ動を開けたら、お? 凄くいいじゃん! と思ったのがミクとの出会いです。その動画はその後、消去されてしまい、どこの誰が作ったかはわかりません。
うどんゲルゲさんの音を聴かせていただき、精巧な打ち込みに感動すると共に、テクノポップに本質的な理解をしていると思いました。ハルメンズが30周年を迎えるにあたり、もともと「ふにゃふにゃサイボーグ」や「アンドロイドな女」といった「人工人間」をテーマにした曲を作っていたため、初音ミクに歌ってもらうというのは、運命的な事態だな、と思いました。

「初音ミクsingsハルメンズ」では、最初の7人、うどんゲルゲ、キャプテンミライ、ぶっちぎりP、みろんP、耳ロボP、kihirohito、デッドボールPはみな第一線のPでしたが、今回「初音ミクsingsニューウェイヴ」では、それに加え、ニコ動で最も速く殿堂入り(100万VIEW突破)した「【調教すげぇ】初音ミク『FREELY TOMORROW』(ニコニコ動画 YouTube)で超話題のMitchie Mさん、ボーカリオドPさんが参加してくれてます(デッドボールPさんは不参加)。

ガイド:
サエキさんは、他のボーカロイド職人の方々とはどのように繋がっていったのですか?

サエキ:
前述のようにうどんさんとまず話し、仲間を紹介していただきました。イモづる式です。みなさん、良い意味でオタクっぽくなくて素晴らしい方でした。

ガイド:
king songs of new wave

KINGソングス of ニューウェイヴ

選曲ですが、同時発売の当時のニューウェイヴのコンピレーション『KINGソングス of ニューウェイヴ』と“ほぼ”重なっていますね。これはどちらが先に選曲として決まったのでしょうか? ボーカロイド職人の得意分野を反映させようと選曲されたのではないかと想像しています。

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サエキ:
今回は、まずコンピレーションと同一内容にすることをめざし、ニューウェイヴの代表作品(シングル格)をとにかく網羅したいという願いから選曲を行いました。ですので、まず、アーティスト、次にその代表曲、といった順番で決めたので、Pさんの得意分野は、どの曲を選んでいただくか? というところでの発揮になりました。
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