多種多様なルアン・パバンの寺院
ワット・マイの黄金のレリーフ。古代インドの叙事詩『ラーマーヤナ』の物語が描かれている。ヒンドゥー教の影響が見て取れる ©牧哲雄
境内全体が赤と金に塗られたとても派手なお寺、ワット・セーン ©牧哲雄
たとえばワット・シェントーンやワット・マイの本堂はとても派手。「ルアン・パバン様式」と呼ばれる赤い屋根なのだが、衣装を着込んだように幾重にも折り重なっており、それらが緩やかにカーブしていて天を刺すように尖っている。壁も破風も内部も豪華で、黄金のレリーフやカラフルなモザイクなどで飾られている。こうしたデザインはタイのお寺によく似ている。
ワット・ウィスンナラートの本堂。連子状窓はクメール様式で、アンコール・ワットで見られるものとそっくり ©牧哲雄
ワット・タートルアンのナーガ。ナーガは古代インドの蛇神で、これがヒンドゥー教に伝わり、仏教(密教)に取り入れられ、やがて中国や日本に「龍」として伝わる
ひと口にお寺といっても、場所や時代でその形は異なる。仏教は紀元前に海のシルクロードを通って東南アジアに伝わったといわれるが、その後仏教を吸収したヒンドゥー教が広まったり、ミャンマーやスリランカから新しい形の仏教が伝わり、それらがさらに融合したりして、とても複雑に進化した。
ルアン・パバンにはアジア各地の仏教デザインが集まっている。これを見て歩くだけでも楽しいものだ。
ルアン・パバン名物、ナイトマーケット!
ナイトマーケット。ラオス各地から集まった民芸品や日常品が集う
メコン川に沈む夕陽 ©牧哲雄
日が落ち始める頃、船はいっせいに岸へ帰り、やがて太陽がメコン川に沈む。
朝の托鉢と並んで楽しいのがナイトマーケットだ。通りが閉鎖されて辺り一帯が市場になるルアン・パバンの名物で、メコンの豊かな産物を使った様々な食べ物屋台はもちろん、衣服や布などの日常品や雑貨からアクセサリー、ラオスの各民族の特産品やお土産まで、あらゆるものが屋台に並ぶ。
食べ物屋台ひとつとっても、米や麺やパンからメインになる野菜や肉や魚の料理があるのはもちろん、ネズミやカエルのような肉やバッタみたいな虫の串焼きがあったり、蛇や虫を漬け込んだお酒があったりと、見飽きることがない。
少数民族の貴重な工芸品も多いので、お土産探しはここですませよう。