第1位「火災保険も火災共済も、同じようなものでしょ?」
水害のカバーは、商品、契約内容により異なる
利用者側から見れば、火災保険にしろ火災共済にしろ、マイホームや家財の損害をカバーする商品であることに変わりありません。ただ、風水害の補償(保障)については、商品により大きなばらつきがあります。
民間保険会社の火災保険は、契約時期が10年以上前の火災保険や、特約火災保険では、最大7割までの補償となっている場合もありますが、昨今販売されている火災保険は、免責金額を超えた金額について、100%補償するタイプもラインナップされています。
一方、全労済や都道府県民共済が取り扱う風水害の保障は、損害の全額をカバーできる仕組みにはなっていません。大切なのは、どれがよい、悪いということではなく、ご自身の住まいを守るのに適切な形で掛けられているかどうか。たとえば、川沿いの低地にある一戸建てで、ハザードマップなどでも水害危険が予測される地域の住宅なら、水害が手厚くカバーされるタイプがおすすめな一方、市街地にあるマンションの高層階なら、風水害のカバーの必要性は薄く、新型火災共済(都道府県民共済)や火災共済(全労済)でも対応可能、といった具合です。
また、火災保険にセットする「地震保険」は、法律に基づき官民一体で運営されている半ば公的な保険。一方、各種の共済商品にセットされているのは「地震保険」ではありません。それぞれ、各共済独自の地震保障です。
たとえば、自然災害保障付火災共済(全労済)の標準タイプなら、地震保障は火災共済金額の20%、新型火災共済(都道府県民共済)では、地震等で半焼・半壊の損害に対し、加入金額の5%、かつ最大300万円が基本です。
なお、「むてきプラス(JA建更)」の地震保障も独自の保障ですが、地震保険と同様、火災共済金額の最大5割までの保障となっています。
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■「火災保険と火災共済、どう違う?」
第2位「火災保険は長期契約するのがトク?」
火災保険の保険期間は、1年間から10年間までの間で、原則として契約者が選べます。とはいえ、「長期で契約すると、保険料が安くなりますよ」と言われたことがあるのでは。
確かに、長期契約で保険料を一括払いする場合、期間に応じた保険料の割引があり、1年ごとに同じ内容の契約を更新していく場合のトータル金額よりも保険料は安くなります。翌年以降の保険料を前払いするので、契約時点の金利等が考慮され、保険料が割り引かれるためです。
ただし、長期係数は金利等を踏まえて決定されるものですから、低金利の現在、割引のメリットは徐々に薄れてきてしまいました。また、契約の手間がかからず、保険料も割り引かれるとはいえ、長期契約には注意点もあります。それは火災保険で設定すべき建物金額に、時間の経過による変化がつきものである点。保険金額は建物の現在価値で設定するのが基本なので、火災保険契約を長年でほったらかしにしておくと、いざという時思うように役立たない可能性もでてきます。長期契約を結ぶなら、保険金額が適正かどうか5年ごとぐらいにチェックが必要だと覚えておいてください。
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■「火災保険は長期契約がトク?」
第3位「どこに住もうが火災保険料は全国どこでも変わらないでしょ?」
火災保険料を決める大きな要素は「住所地」と「建物の構造」の2つ。福岡県と北海道では同じ補償内容でも保険料には差が生じますし、東京都と福岡県では、地震保険料にも3倍以上の差が生じます。これは、都道府県により自然災害等の発生、損害状況が異なり、それを反映して保険料が算出されるためです。
また建物の構造により、火災や自然災害等による被害の及びやすさも変わりますから、被害を受けにくい丈夫な建物は保険金が支払われる確率が低く、相対的に安い保険料が算出される一方、そうでない建物は高くなります。耐火建築物の共同住宅、一般的にはマンションの「M構造」、コンクリート造やレンガ造などの耐火建築物「T構造」、上記いずれにも該当しないのが一般的な木造住宅の「H構造」で、保険料は順に高くなります。
家計費の中でも支出割合の大きい住宅コスト。できるだけ低く抑えたいところですが、物件そのものをいくら安く抑えられても、種々のコストが随所で大きく嵩んでは仕方ありません。できるだけ丈夫で壊れにくい、質の良いものを選べば、火災保険をはじめとして、各種のコストが抑えられます。長い目で見て、おサイフにやさしい住宅を選ぶことにつながります。【お役立ちコンテンツ】
■「建物と住所で火災保険料に5倍以上の差が……」
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