「ヒョウハクザイで汚れを落とす」、ごく当たり前に使われるフレーズですが、果たして「漂白剤」とは何なのでしょう? 今回は中でも身近でよく使われる「酸素系漂白剤」についてまとめました。お掃除の参考にしてみてください。
   

酸素系漂白剤とは?

酸素系漂白剤とは?

「漂白」は、水が潤沢な国だからこそ生まれた言葉なのかも知れませんね

紙や繊維、食品、その他いろいろな素材に付着した不純物などによる色(色素)を「白くする」ことを指して「漂白する」といいます。古来流れる川の水に布地などを漂わせて色の粒子を流し、繊維を白くしていたことによる言葉がまだ生きているのですね。

この漂白を化学薬品の力によって行う、その薬剤を総称して「漂白剤」と呼びます。漂白剤は酸化作用や還元作用で色素を分解するなど変化させることで対象を「白く」するもので、一般的に「酸化型漂白剤」と「還元型漂白剤」に大別され、そのうちの「酸化型漂白剤」はまた「塩素系漂白剤」と「酸素系漂白剤」に分けられます。

汚れなどによる色(色素)を酸化させて分解し汚れを落ちやすくさせる。「酸素系漂白剤」の「酸素系」の意味するところは私たちが呼吸しているこの空気に含まれる「酸素」もまた色(色素)をさらす(漂白する)効果があることを示しています。この酸素による酸化作用をごく短時間に行うため、酸化力の強い過酸化物である「過炭酸ナトリウム」や「過ホウ酸ナトリウム」などを水に溶かし過酸化水素のアルカリ性水溶液とすることで、汚れを酸化分解して落とす、というメカニズムなのです。

 

過炭酸ナトリウムについて

私たちの呼吸している空気に含まれる酸素、太陽光に含まれる紫外線にも「漂白」力があるのです

私たちの呼吸している空気に含まれる酸素、太陽光に含まれる紫外線にも「漂白」力があるのです

身近な薬局やスーパーで、「比較的安全な漂白剤」という触れ込みで販売されることの多い「酸素系漂白剤」。しかしパッケージを見て一瞥しただけではよく分かりませんので、裏返して表示を確認してみましょう。

概ね粉末、顆粒状の酸素系漂白剤の主成分は「過炭酸ナトリウム(酸素系)」となっています。「過炭酸ナトリウム」は炭酸ソーダと過酸化水素が2:3の割合で混在してできた白色の粉末で、金属や水と反応する性質を持っています。水と反応すると過酸化水素ガスを放出して炭酸ソーダになります。水に溶いた際の液性は弱アルカリ性です。

ちなみに「酸素系漂白剤」の中には最初から液体状のものもあります。この主成分は「過酸化水素(酸素系)」となっており、ものによってはポリオキシエチレンアルキルエーテルなどの界面活性剤が添加されています。液性は酸性です。

活性酸素の一種である過酸化水素は汚れの色(色素)を分解して不可視化したり、細菌の類を殺したりできる強力な酸化力を持つものですが、汚れ(有機物)を分解した後は酸素と水になるなど、排水の環境への悪影響を殆ど懸念せずに済むというメリットがあります。
 

酸素系漂白剤の活用法

500グラム~ 大き目のパックでずっしり目に売られていますが、使い出すと結構すぐに無くなってしまうかも。また開封後は早めに使い切ったほうが良いでしょう

500グラム~ 大き目のパックでずっしりめに売られていますが、使い出すと結構すぐに無くなってしまうかも。また開封後は早めに使い切ったほうが良いでしょう

酸素系漂白剤は衣料用漂白剤として多用されていますが、台所を中心とした水場の除菌・漂白を目的としてお掃除にも活用できます。ただ速やかな反応(酸化)による効果ありきであるため、あまりモタモタと使用しないことがポイントです。また使う際の「水」は冷水ではなく、30度から50度の温水を使うこと、また使用の際はなるべくゴム手袋を着用し、素手では扱わないといった注意が必要です。


■使い方
・1Lの温水に約小さじ1杯の酸素系漂白剤を溶かし、この溶液に浸した布(雑巾、タオルなど)を使って掃除する
・顆粒状の酸素系漂白剤に同量の重曹、ないしは粉石けんを混ぜ、少量の湯で溶いてペースト状にしたものを汚れに塗布する
・風呂の残り湯などに1袋投入し溶かし、風呂椅子などを漬け込み汚れを緩める。また追い焚きすることで風呂釜を掃除する


■掃除法
・この溶液に浸した布をよく絞り、冷蔵庫棚や食器棚を拭く。除菌、除臭に役立つ
・この溶液に浸したボロ布などをよく絞り、ゴミ箱内部などを拭く。除菌、除臭に役立つ。余った溶液はゴミ袋内の生ゴミなどに噴霧するのも良い
・この溶液はコーヒー、紅茶をはじめとしたお茶類、果物や野菜、草の汁、調味料汁、体液、血液といったものによる「汚れ」「シミ」の漂白にも活用できる
・この溶液はオムツ等の漂白、除菌、除臭にも活用できる
・ペーストは、キッチンやお風呂場といった水場のタイル目地などに生えたカビに塗布することで殺カビできる


■注意点
・過炭酸ナトリウムは、毛や絹、この混紡品といった繊維には使用しないこと(弱酸性の過酸化水素水=オキシドールならば可能)
・草木染めなど含金属染料で染めた繊維には使用しないこと
・金属製の器物には使用しないこと
・漆器には使用しないこと

【参考文献】
「家庭の化学」(山崎昶/平凡社新書)
「アルカリと酸で洗う本」(生活と科学社監修/せせらぎ出版)
「重曹生活のススメ」(クリーン・プラネット・プロジェクト 岩尾明子/飛鳥新社)

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