川べりにたたずむ一軒宿
渓谷に添って走る国道を脇道にそれトンネルを抜けると、養老川に突き当たります。川の家はその緑に囲まれた川べりにひっそりと建つ一軒宿です。温泉街のような賑やかさはないので静かにゆっくり過ごすことができます。
宿は和室が8部屋ある小さな旅館で家族で経営する宿。明るく元気な女将さんがあたたかく迎えてくれます。
川のせせらぎや鳥の声が聞こえてくる
部屋に荷物を下ろしたら、夕食の時間まではカメラを片手に渓谷散策に出かけましょう。宿の前に架かる橋を渡れば片道3キロ程の遊歩道が整備されています。
途中には岩山にダイナミックに通された隧道跡地の弘文洞跡地や、朱色に塗られた太鼓橋(観音橋)などの見所があります。重装備も要りませんし気軽に歩けるのでおすすめです。紅葉狩りの時期は混み合うので朝一番の散歩コースにするのもいいですね。
洞窟で浸かる黒い湯
黒い湯は体をしっかり温めてくれる
小腹が空いたところで宿に戻ったら、まずは大浴場に向かいましょう。嬉しいのは宿が自家源泉をもっていること。敷地内から湧き出した温泉にたっぷり浸かることができるのです。
浴室に入るとまるで洞窟! 岩に囲まれた湯船にはられた黒色の湯に、一瞬たじろぐかもしれませんが、足元に気をつけてゆっくり入ってみましょう。
泉質はナトリウム-炭酸水素塩・塩化物泉。つまり、炭酸水素(重曹)で肌を柔らかくし、塩分で肌の水分を逃がさないようにしてくれるのです。
その色とは裏腹に実は女性に嬉しい成分が含まれた温泉は、宿の玄関前の岩肌から源泉が流れ出ているので、その感触を確かめてみてください。
次のページではお待ちかねのウナギ!