いつも憎まれるようなことをするのはなぜ? 

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怒られてもつい嫌がることを続けてしまうのは・・・・・・

親に愛されるため、家族の輪を保つために、子どもはみな、一生懸命いい子になろうと努力する、と思うかもしれません。ところが、先の「スケープゴート」(身代わり)のように、「この子さえいなければ」と疎まれる「ダメな子」になってしまうケースもあるのです。

親を困らせればますます愛されなくなるはずなのに、どうして「ダメな子」になってしまうのでしょう?

そこには、「家族がダメな自分をけなすことに一致団結すれば、家庭の崩壊を防げる」という思いが無意識的に働いている場合があります。また、たとえ否定的であっても、「親から何らかの反応を引き出したい」という欲求が働くのかもしれません。

交流分析の創始者、エリック・バーンは「人はストロークを得るために生きる」といいました。ストロークとは、「あなたがそこにいるのを知っているよ」という存在認知の刺激のことです。抱きしめたり、声をかけたりするだけでなく、話を聞いたり、笑いあったり、問いかけに答えたりすることもストロークになります。

ストロークは、「心の栄養」とも呼ばれる大切な刺激です。幼い子どもは、泣いたり笑ったりして親からたくさんのストロークを引き出します。肯定的なストロークをもらえれば気持ちがいいですが、親からいつもそれを引き出すのは大変な努力が必要です。そこで、子どもは否定的なストロークであっても数多く得ようとし、いたずらをしたり寝込んだりして、親の反応を求めるのです。

否定的でも「私がここにいること」を認めてほしい 

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無視されるより「ダメね!」と言われ続ける方が安心できる

機能不全家族の中で育つと、愛情不足を実感することが多いもの。「あなたのままで大丈夫」「そのままのあなたが大好き」という、ありのままの自分を肯定された経験が乏しいのです。

ありのままの自分を肯定された経験が乏しい場合、「いい子」にさえなれば親は喜びますし、きょうだいのなかでも肯定的なストロークを独占することができます。そのため、頑張れる子は無理をしても一番になろう、誰にもできないことができる子になろうと努力します。

一方、頑張っても一番になれない子、目立たない子は、肯定的なストロークをあきらめ、「否定的なストロークでもいいから、もらえればいい」と思うようになります。「おねえちゃんはいい子なのに、お前はダメね!」とけなされながらも、親から目を掛けられている事実に、内心満足を感じるのです。

無視され続け、否定的なストロークさえもらえないような状況では、求めることさえやめてしまうこともあります。先の「ロスト・ワン」のように、自分の存在感を消して、人からの反応に無関心になり、関わりを持たずに生きようとするケースもあるのです。

「親」の影響から卒業し、自分らしく生きるには? 

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自分の中の「親」から、もう解放されてもいい

「三つ子の魂百まで」ということわざがあるように、幼児の頃の決断が、大人になっても自分の生きる姿勢を左右していることは多いものです。もうすでに、親の顔色など気にせずに自分の人生を歩んでいける年齢なのに、子どもの頃に担った役割を続けている大人は少なくありません。

たとえば、「もっと頑張らねば」とせかされるように生きる人、困った事件を次々と起こして注目を集めようとする人、いつも笑顔なのにストレスを溜めている人、他人との関わりを持とうとしない人、自分を犠牲にして他人に尽くそうとする人など、子どものままの姿勢で生きている人もいます。その傾向が強い人のなかには、アダルトチルドレンとして常に生きにくさを抱えている場合もあるのです。

この苦しさから解放されるには、これまでの生き方を見つめ直し、自分が心の中につくりだした「親」の目から解放される必要があります。自分を縛り続ける心の中の「親」に気づき、そこから離れて、「自分らしく生きてもいい」と決断するといいでしょう。

どうにもならないほどトラウマが強い場合には、アダルトチルドレンを専門とするカウンセラーに話を聞いてもらったり、アダルトチルドレン当事者同士が体験を分かち合う自助グループに参加することで、楽になっていく人もいます。

親から巣立った私たちは、心の中の「親」の目を気にせず、堂々と自分らしく生きていいのです。自分らしい人生の地図を描き、新たな気持ちで歩き始めてみませんか?
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