ゴルフクラブ価格下落の理由は?
世界中に販路を持つ、ピンのようなメーカーと異なり、主に日本市場をターゲットにしている国内メーカーであっても、現状から値下げする傾向がみられます。その先鞭をつけそうなのが、ブリヂストンから、11月に新しく発売される「TOURSTAGE V-iQ」のラインナップ。宮里藍プロなどが使用し、非常に人気の高いブランドです。今回で5代目のモデルチェンジになります。
ドライバーの価格は、これまでの78,750円から、58,800円へ。
ブリヂストンは、高級路線の新ブランド「PHYZ」(ファイズ)がスタートしているので、その兼ね合いから価格帯を分けたともいえますが、国内大手メーカーの主力ブランドの価格が下がることは、やはり大きなインパクトがあります。
こうした価格下落は、経済全体のデフレ傾向など様々な要因があるのだと思われます。
ゴルフ界では、練習場はさほどでもないですが、ゴルフ場のプレー代やレッスンなどの価格はやはり下落していて、デフレの影響を感じさせます。
クラブや用品に限って言えば、一年や二年後に型落ち品として安くなる、いわゆるマークダウン品の流通が増えてきました。それまでの価格の半額以下になるケースも珍しくなく、型落ちして値段が下がるのを待ってから購入するゴルファーも少なくないでしょう。
現在、ゴルフ用品の中で、マークダウン品の販売は約45%にも及ぶといいます。売れているものの半分が型落ち品という市場が、果たして健全と言えるかは議論の余地がありそうです。
正規品の値段が下がるのは、こうした市場の動向によるものが大きいでしょう。現在は、円高傾向が強く、安価な輸入品が多く流通していることもそれらに拍車をかけているようです。
クラブやゴルフ場のプレー代などの価格が下がることは、ゴルファーにとっては大いにメリットがあります。プレー回数やクラブの買い替えなどの増加や、新しくゴルフを始める人が増える効果も期待できるでしょう。
もし、問題があるとすれば製品の質でしょう。同じ品質のものをどんどん値段を下げて販売するのには限界があります。価格の下落傾向はこれからも続くと思われるので、今後は製品の質が下がる可能性も十分にあります。
ゴルファーの感性はとても鋭いので、質が落ちてくるとそのブランドの人気が凋落することも考えられるでしょう。
近い将来、ゴルフクラブは本格派で高額なものと、大多数の普及品の二極化が進んでいくのではないかと思います。
ガイドとしては様々な値段、様々な質や種類が存在する方が、より好ましいと考えます。対象ゴルファーのレベルや好みによって、いろんな選択肢があった方が様々な楽しみ方が出来そうです。
例えば、「安い方が良い」、「このブランドのコンセプトに共感する」、「色遣いがカッコいい」など、さながらファッションのように、ゴルファーがクラブを選択する基準も様々になるでしょう。
ゴルフを楽しむうえで、アイテム類の活性化は欠かせません。
安価なモデルはもちろんですが、むしろ、より多様で、ゴルファーが驚くような製品が求められているように思います。