肉厚のサーモンマリネを
前菜のタスマニアサーモンのマリネ。肉厚にすることにより、切る楽しさが仕込まれている。薄っぺらいマリネよりも味わいが濃く感じるのは不思議だ。そして食べ飽きることがないのはつけあわせのリンゴと根セロリのレムラードによるアクセントのせいか。一見単純に見える料理ではあるが、味わいが実に深く非常に印象に残る前菜だ。この料理はぜひシャンパーニュと合わせたい。
タスマニア産サーモンのマりネ
フロマージュ・ド・テットは豚肉内臓料理の王道を行く伝統食。一分の隙もない仕込具合が見た目ですぐにわかる料理だ。これにマスタードと白ワサビのピュレが添えられ、2種類のアクセントが添えられる。
食感も楽しい豚肉の内臓ゼリー寄せ
サンピエール(マトウダイ)のポワレは実にシンプルだ。オリーブオイルとシブレットでさっぱりとした仕上げがサンピエールの味そのものに集中することになる。ここまでを見てもブノワの魚の仕入れは非常にクオリティが高い。別皿で添えられるサフラン風味のライスグラタンはお腹にもたれないアジアン系のお米。味わいも優しく仕上げられているのだが、何故か刺激的なほど記憶に残る。
サンピエール(的鯛)
仔牛のコンフィ仕立てはなかなか食べ応えのある、いわゆるヘヴィ級の力強さを感じる。現代フランス料理といえど、ここぞというときはバター、クリームそして煮詰めたフォン(出汁)をガッツリと使い胃袋をストレートに刺激する。この料理は赤ワインが欠かせないだろう。今回はジョセフ・ドルーアンのブルゴーニュワインがグラスで用意されており、それらとの相性も楽しみたい。
強烈なソースが胃袋を刺激する
次は南仏のイメージを髣髴とさせるデザートの登場だ。