住宅購入の費用・税金/確定申告・住宅ローン減税

「住宅ローン減税」確定申告2011年版/適用条件(2ページ目)

3月11日以降、「不動産ショック」「湾岸マンション販売に黄色信号」と言われたマイホーム市場。東日本大震災から7カ月余りが過ぎ、その予想はいい意味で裏切られ、市場のセンチメントは回復経路をたどっています。そうした中、住宅を取得して2011年に入居した人は最大400万円の「住宅ローン減税」が受けられます。ただ、還付を受けるには適用条件がありますので、その条件に当てはまることが必要になります。

平賀 功一

執筆者:平賀 功一

賢いマンション暮らしガイド

取得価格から「補助金」を控除した金額をもとに、住宅ローン減税額が計算される

住宅ローン減税に関し、2011年度は以下のような税制改正がなされました。

<改正内容その1>
住宅を新築、購入あるいは増改築した際に補助金(国または地方公共団体から交付される補助金・給付金その他これらに準ずるものをいう)の交付を受けた場合、その住宅の取得等の額から補助金の額を控除して計算することとする。

<改正内容その2>
特定増改築等住宅借入金等特別控除(※)については、(特定)断熱改修工事により補助金の交付を受けた場合、その補助金の金額を控除した残額が30万円以上の場合に当該特別控除を適用することとする。


【補足】特定増改築等住宅借入金等特別控除とは?

居住者が住宅ローンを利用して、自己所有の居住用家屋をバリアフリー改修工事あるいは省エネ改修工事を含む増改築をした場合、一定の要件のもと、その増改築に係る住宅ローンの年末残高の合計額を基礎として計算した金額を所得税額から控除する税額控除のこと。住宅ローン減税の「リフォーム版」をイメージすると分かりやすいでしょう。


2011年6月30日以降の契約に対し、本改正内容は適用される

イメージ写真

補助金を受け取った場合、「住宅ローン減税」の計算方法が変わる

<改正内容その1>について、モデルケースでご説明しましょう。新築マンションを購入し、補助金をもらったケースを想定します。

 ・新築マンションの購入価格 : 5000万円
 ・頭 金 : 500万円
 ・住宅ローンの借入額 : 4500万円
 ・住宅ローンの年末残高 : 4400万円(初年度)
 ・補助金 : 100万円


2011年度の改正により、住宅の取得価格から補助金の額を控除して計算することとなりました。そのため、併せて実際に受け取れる住宅ローン減税の還付額の計算方法も見直され、

 (A)住宅の取得価格-補助金
 (B)住宅ローンの年末残高

上記(A)(B)のうち、“どちらか少ない金額”が還付額を計算する際の基礎金額となります。モデルケースに当てはめると

 (a)購入価格5000万円-補助金100万円=4900万円
 (b)住宅ローンの年末残高4400万円

(a)>(b)となり、少ない金額の(b)4400万円が計算の基礎金額となります。2011年中の入居では「借入金額4000万円以下の部分×1%」が計算式となるため(下表参照)、このケースでは初年度の住宅ローン減税の還付額は40万円(4000万円×1%)となり、補助金100万円と合わせて合計140万円がもらえる計算になります。

本改正は2011年6月30日以降、住宅の取得に係る契約を締結した場合に適用されます。

住宅ローン減税の制度内容

 

なお、補足ですが住宅ローン減税の還付額40万円(初年度)は“最大値”であって、ご自身が2011年の1年間に徴収された所得税額以上は還付されません。また、話を複雑にしないため、住民税の控除については一切考慮していませんので、併せてご注意ください。






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