前回の「JR大阪環状線駅前選手権~外回り編」と「内回り編」でそれぞれの駅界隈の様子をご覧いただきました。今回は、環境や町の様子からは全く離れ、住宅市場の数字のみから環状線各駅を見てまいります。

まずは、各駅の物件ボリュームから「どの駅が物件を探しやすいか?」を見てみましょう。

購入しやすさはマンション/京橋、戸建て/桃谷

HOME'Sでみる掲載物件数比較(大阪環状線)

「HOME'S」9月13日付けの掲載物件数

この表は「HOME'S」に9月13日付で掲載されていた物件数の一覧です。緑色が内回り側、水色が外回り側の駅、紫色は注目すべき数字。

新築マンションの発売物件数は、調査のタイミングにより数字が大きく異なるのであくまで参考指標です。いまは「大阪」駅3物件、「福島」駅4物件、「天王寺」駅4物件と、都心部で供給が目立っています。「大阪」駅の大阪梅田北ヤード、「天王寺」駅の阿部野再開発事業等の影響でしょうか、都心回帰のトレンドが見られます。

中古マンション/一戸建ての売出数は、その駅での「住宅の選びやすさ」の指標となります。

中古マンションの売出数が圧倒的に多いのは「京橋」駅。一駅だけ三桁の155物件です。次に多いのは、「京橋」駅と「大阪」駅の間にある「桜ノ宮」と「天満」駅でともに60物件。中古マンションを選ぶなら「京橋」駅~「桜ノ宮」駅界隈が探しやすいといえましょう。ちなみに「桜ノ宮」駅と「天満」駅間には大川という川が流れておりエリアが分断されています。

また、内回り側(西側)と外回り側(東側)を比べると大きな差があることもわかります。外回り側が474物件あるのに対して内回り側はわずかに118件。約4倍の開きがあります。ちなみにこの傾向は中古一戸建てについてはさらに顕著。外回り240物件、内回り104物件ですが、内回り物件の過半数は「大正」駅最寄りで、「大正」駅をのぞくと41物件!約6倍の開き。何だこの差は!

西九条

多くの住宅があるがネットへの掲載が少ない内回り側(写真は「西九条」駅界隈)

中古戸建ての掲載数の差=住宅ストックの差とは考えられません。原因は、おそらく「ネットへの掲載数の少なさ」。外回り側に比べて内回り側は住宅地としてマイナーでありローカル性が高いエリアです。ネットを利用した広範囲からの集客よりも地元へのチラシ投下の方が営業の経費効率が良いという不動産業者の思惑で掲載が少ないのだと予想されます。環状線内回り側での中古戸建て探しは、ネットに頼らず現地を歩く覚悟が必要です。

ちなみに中古戸建ての掲載数が多いのは「桃谷」駅とその周辺。環状線全体での掲載数が351物件に対し、「桃谷」駅とその両隣の「寺田町」駅、「鶴橋」駅を合わせた3駅での掲載数は141件。全体の約40%がこの「桃谷」駅周辺に偏っています。

賃貸探すなら京橋、天王寺界隈

賃貸の物件数は中古マンションの物件数と傾向が似ています。目立って多いのは「天王寺」駅と「京橋」駅。ともに4,000物件を超える掲載があります。豊富なデータから選ぶ事が可能です。

それ以外の駅も概ね1,000物件以上あり選択肢はそれなりに確保できていますが例外は「大阪」駅と「芦原橋」~「今宮」~「新今宮」駅エリアです。選択肢がかなり限られてきます。

芦原橋

「芦原橋」駅直近。かなり殺風景。

「今宮」駅界隈に物件数が少ないのは、あきらかに民間賃貸のストック不足。天王寺エリアから距離は近いものの、駅周辺に利便施設が少なくエリアとしては人気薄。ただし、公営住宅のストックは半端なく「芦原橋」駅から「今宮」駅にかけては、軽く二桁を超える数の市営住宅が並びます。

一方、同じく住宅ストックが不足している「大阪」駅界隈は、人気薄だからではなく、駅周辺が商業エリア+ビジネスエリアであり住宅用地が少ないから。同じターミナル駅の「天王寺」駅界隈が商業地でありながら住宅が混在していて物件数が多いのとは対照的です。

次のページでは売買/賃貸各々の相場をみてみます。