芦屋の名店「京料理 たか木」
京料理 たか木の外観
阪神間でも高級住宅地として知られる芦屋。芦屋に住みながら、「ほんまもん」の京料理を食べるために、月一回はタクシーを飛ばして京都の料亭や割烹に通い続ける方も少なくはないと聞き及びます。そんな御仁が「わざわざ京都まで出向かなくともよくなった」とおっしゃるお店が、2007年からJR芦屋駅からほど近い住宅街のど真ん中にあります。現在、ミシュラン二ツ星を獲得し、関西最高クラスの一軒とも言える、その店の名は京料理「
たか木」。
風情溢れるアプローチ
JR芦屋駅前の大原町交差点から山手に上がり、山手幹線を超えて一筋目の角を曲がると、竹林が風にそよぐ一画が目に飛び込んできて、ひと目でお目当ての京料理「たか木」と判ります。その竹林の左側を奥に進むと、年季の入った灯篭としだれ桜が配された中庭に目を奪われるのですが、その丁度手前右が玄関です。
二人の巨匠が手掛けた看板
玄関を入ると、正面にはなんと細川護煕元首相の手になる「生々流転」の書。あとでお聞きすると、玄関外に掲げられた「たか木」の看板も細川さんが揮毫され、陶芸家の杉本貞光さんが篆刻されたものとのこと。器好きのご主人の面目躍如といったところですね。
優しい日差しが心地良い、人気のカウンター席
玄関の右手のカウンター席は、席に座ると正面にある高い天井の全面ガラス貼りの窓越しに、風にそよぐ竹林が大画面のパノラマのように見渡せて開放感一杯です。
席間の広いテーブル席
そして玄関の左手には広々とした、一見モダンなフローリングのメインダイニング。しかしよく見ると天井の素材は葦、壁は四角い和紙を碁盤の目のように重ね張りして障子のような雰囲気を醸し出し、奥の壁の中心には壁をくり抜いた床の間を設けるなど、和の意匠に満ちています。
カウンターも含め全部で30席ありますが、サービスと料理の質を保つため予約は最大25名に止め、着物姿の女性3名がサービスを担当されます。特筆すべきはトイレも含め、店内はすべて車いすでもOKというバリアフリー設計。舌の肥えた年配客にも優しい配慮に感動です。
芦屋の宝とも言うべき一軒
ご主人の高木一雄さんは、料理教室を主宰されていたお母様と神戸の有名ホテルのホテルマンだったお父様の影響もあって、何と幼稚園の時に料理人になろうと志されたそうです。小学校時にはすでに有名割烹に連れて行かれて、味の修行を開始されていたといいますから、正に料理の英才教育を受けられてきたと言えましょう。
その後、大学時代には休学してイギリスへも行かれ、卒後に京都の老舗料亭で10年間みっちり修業された後、芦屋山手の東山町で2005年に独立開業された時にはわずか10席からのスタートでした。爾来本格的な京料理が評判となり、JR芦屋駅にほど近い現在の店舗に移って来られたのが2007年9月、今から4年前というわけです。
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