体を壊すまで頑張りすぎてしまうのはなぜ?
体を壊すまでどうしていつも頑張りすぎてしまうのか
その優れた性格によって優秀な実績を重ね、ステキな人生を送っている人も多いでしょう。しかし、まさにその性格が裏目に出て、強いストレスを抱えてしまうことも多いものです。
たとえば、「完璧主義」の人は間違いなくやることにこだわるあまり、小さなミスも受け流せなくなりがち……。「いい人」は他人の意見を優先させ、自分の意見を主張できない……。「頑張り屋さん」は疲れているのに無理をし、体を壊してしまう……。こんな困った結果になっていることも、案外多いのではないでしょうか。
周りからは、「そんなに頑張らなくてもいいのに」と言われ、自分でも分かっているのに、そうできないのはどうしてなのでしょう?
私たちの心を駆り立てる5つの「ドライバー」
どんなときも頑張れるのは親のしつけがあってこそだけど・・・・・・
そのひとつに、「ドライバー」と呼ばれるメッセージがあります。ドライバーとは、「駆り立てるもの」の意味。心理学の「交流分析」では、次の5つのドライバーを紹介しています。
1. 「完全であれ!」(Be Perfect!)
「いつもパーフェクトでいなさい」というメッセージを受け続けてきた人は、「完全な結果」にこだわりすぎていることがあります。
例)
- <よい面>几帳面できれい好き →<悪い面>少しの乱れや汚れも許せない
- <よい面>高いクオリティの結果を出せる →<悪い面>100%でないと満足できない
2. 「他人を喜ばせろ!」(Please me!)
「どんなときも笑顔でいなさい」というように、常に自分の気持ちを我慢して人を優先させることを求められてきた人は、無意識のうちに自分の気持ちを抑え込み、他人の欲求ばかり優先させていることがあります。
例)
- <よい面>職場でいつも頼られている →<悪い面>他人の仕事まで引き受けている
- <よい面>控えめで気配り上手 →<悪い面>人に奉仕してばかりで自分のやりたいことが分からない
(3)「努力せよ!」(Try Hard!)
「どんなときでも一生懸命やりなさい」というように常に努力を強いられてきた人は、いつも努力していなければ認められないような気持ちになることがあります。
例)
- <よい面>一生懸命に働ける→<悪い面>リラックスして休むことができない。
- <よい面>勉強熱心で常に成長する→<悪い面>デキる人以外認められない。
(4)「強くあれ!」(Be Strong!)
「強い自分でいなさい」という教えを受け続けてきた人は、大人になっても「疲れた」「つらい」といった素直な感情に気づかず、走り続けていることがあります。
例)
- <よい面>前向きでいつも元気 →<悪い面>弱音を吐けない
- <よい面>自分にも他人にも厳しい →<悪い面>頼り甘えあえる関係を結べない
(5)「急げ!」(Hurry up!)
「早くしなさい」「もっと急いで!」と言われ続けてきた人は、大人になってもじっとしていられず、つい急いでしまうことがあります。
例)
- <よい面>行動がスピーディー →<悪い面>いつも時間に追われている
- <よい面>同時にたくさんこなせる→<悪い面>何でも効率で考えすぎる
上の5つのキーワードは、親が子どものためを思ってつい投げかけてしまうありふれたメッセージです。ただし度を越して言われる続けると、その人を駆り立てる「ドライバー」としてインプットされ、その行動が過剰に促されてしまいます。しかし、怖いのはそれ以上の強さで、ある行動が制限されてしまう可能性があることです。それは、いったいどんな行動なのでしょう? 次のページで見てみましょう。