細かい作業にも、手抜きは皆無!
出し縫いの糸を目立ち難くするために、ウェルトに仕上げの目付を施しているところです。ビスポークであっても鉄の車輪にギザギザを刻んだもののみで一気に加工し切ってしまうメゾンもある中、この工房では一つ一つ手作業で丁寧に入れてゆきます。靴の輪郭が俄然引き締まります。熱したコテと蝋を用いてヒールの側面を着色し仕上げて行きます。黒い靴なのでこの部分も当然ながら黒く仕上げて行く訳ですが、茶系の仕上げより遥かに難しいとのこと。微妙な差でも靴の見栄えや安定感を決定的に左右する、奥の深い工程です。
底の仕上げに用いられるコテや、出し縫い時の目安をウェルトに刻む車輪です。一人一人の職人さんが使い易いように個別にカスタマイズしているそうで、兎に角手入れが行き届いています! 九分仕立て紳士靴の美しさはそんな細かい「ひと手間」の積み重ねなのです。
アッパーの方の緻密な工程は、最後のページでご紹介!