ダントツに明るすぎる基準の日本

ストラスブール

フランス、ストラスブールの中心部の夜の風景。明るさはぐっと押さえられていますが、お店の看板はよく見え、道を歩く安全も確保されています。ぐっと落ち着くこの雰囲気は、日本にはなかなかない風景です。

LEDでなくても大幅節電!照明ダウンサイジング」でも紹介しましたが、高度成長期以降、日本ではオフィスの机面照度のJIS規格が750ルクスと設定されています。

この基準は、蛍光灯をしばらく使ったあとの明るさで設定されているので、この基準にのっとって新品の蛍光灯をつけると、最初のうちは1000ルクスに近い明るさになってしまうこともあります。開店したてのコンビニエンスストアが眩しいほど明るく感じるのは、このあたりにも理由があるのです。

ところが、世界的に見ても、日本はダントツに明るい照度基準が設定されているのです(アメリカでは500ルクス)。明るいことが、そのまま豊かさの象徴であった時代の名残で、私たちは「明るすぎる部屋、明るすぎる街」に慣れてしまっている現実があります。明るさを得るために大量の電力を消費し、二酸化炭素を排出し続けている日本。東日本大震災後、この「明るすぎる部屋、明るすぎる街」に疑問を呈する人たちも現れ始めました。

「明るさダイエット」は、これまでの暮らしを見直す上でも、大切な視点の一つだといえます。


全体照明から目的にあった部分照明へ

読書灯

部屋全体が明るくなくても、新聞や雑誌を読みたければ、読書灯のある場所に移動すればいいだけのこと。ただ全体を照らすのではなく、目的にあった照明の使い分けが大切です。

住宅では食事や読書などの目的によって、それぞれ適切な明るさが設定され、この基準にのっとって、新築のマンションや戸建て住宅では、照明の取り付けソケットが配置されています。

ただ、これは部屋全体を同じ明るさにするための照度ですから、テーブルの上でも、部屋の隅に寝っ転がっても、新聞や本が読めるだけの明るさが設定されていることになります。

実際の暮らしでは、部屋の隅まですべて明るく照らさなくても、用途に応じて明かりを使い分けることで、必要な明るさは確保することができます。ヨーロッパのホテルに宿泊すると、天井照明そのものがないところも多くありますよね。隅々まで明るくしなくても、十分快適に暮らせる。まずはそんな発想を持つところから始めてみましょう。

次のページから具体的な方法をご紹介していきますよ! 目からうろこ、とっても簡単です。