サバンナにそびえる巨大石造都市グレート・ジンバブエ
グレート・ジンバブエはサバンナの深い緑と遺跡が見事に融合した世界遺産。アクロポリスからの眺めは本当に美しい
グレート・エンクロージャー内部の円錐塔とアカシアの木
一帯はサバンナの中にある。とても深い緑の草原が広がっているが、所々にサバンナの象徴であるアカシアや紫色の花を桜のように咲かせるジャカランタ、黄色い花を咲かせるバナナ、全長5mにもなるアロエやらがニョキニョキと突き出している。森にも林にもならず、所々にたたずむ巨大な木々の配置がなんだかとても神秘的だ。
円錐塔付近の狭い通路
城壁とサバンナの間の岩盤地帯には家々が建っていて、村はサバンナに完全に溶け込んでいる。人と自然が一体化した美しく懐かしいアフリカの田園風景だ。
このとても温かい景観に強烈なアクセントを与えているのがグレート・エンクロージャーだ。深緑のサバンナに白く光り輝く楕円記号はどう見ても異様で、ストーンヘンジのような神秘性を感じさせる。自然と一体化しつつも、幾何学に神秘を感じ主張する、人間の強烈な意志を感じる。
グレート・ジンバブエにいたシャーマン(予言者)。お金を払えば未来を見てくれる
グレート・ジンバブエはとても美しい廃墟だ。人々がいかにこの街を愛し、神を奉じ、自然を敬っていたか、その景色を眺めているだけでとてもよく理解できる。
大航海時代とインド航路、モンスーン貿易
グレート・エンクロージャー。アフリカでは曲線を多用した石造遺跡は非常に珍しい ©牧哲雄
グレート・エンクロージャーの円錐塔 ©牧哲雄
アラブとアフリカが交流してできた遺跡は数多く、世界遺産だけ取り出しても、モザンビークの「モザンビーク島」、タンザニアの「キルワ・キシワニとソンゴ・ムナラの遺跡群」「ザンジバル島のストーンタウン」、ケニアの「ラム旧市街」「モンバサのジーザス要塞」などがあげられる。
そして9~15世紀、ショナ人は豊富に算出する金を利用してモンスーン貿易で莫大な利益を出し、巨大な石造都市を建設する。グレート・ジンバブエだ。