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「窓を開けて寝る」には要防犯を!1階以外も注意すべき理由

節電の夏だから、あるいは冷房が苦手だから、とエアコンの使用を控えて窓を開けたまま寝る……そんな人も少なくないでしょう。しかし、「出入り口は侵入口」という防犯意識を持ち、防犯グッズなどで備えることは重要です。1階以外の人も注意すべき理由や対策法を紹介します。

佐伯 幸子

執筆者:佐伯 幸子

防犯ガイド

窓を開けて寝るのは防犯的にどう?

「窓を開けて寝る」には要防犯を!1階以外も注意すべき理由

開け放した窓や玄関は、「侵入者を招く目印」とでも言える


節電の夏だから、あるいは冷房が苦手だから、とエアコンの使用を控えて窓を開け放して眠る……そんな人も少なくないでしょう。しかし、「出入り口は侵入口」という防犯意識を持っていれば、備えもなく開け放すことはとてもできないでしょう。

<目次>  

窓を開けて寝るなら防犯対策を!1階以外でも安心しては禁物

周囲が明るくても油断は禁物

周囲が明るくても油断は禁物


建物の2階以上に住む人は「1階ではないから窓を開けたままでも大丈夫」と思い込んでいないでしょうか? 逆に1階に住まいがある人も「塀があるから」「この付近は人通りもあるし……」など、あるいは近くに交番があるから、24時間営業のお店があるから、などといった理由を持つ人も中にはいるかもしれません。開け放した窓や玄関、それは「侵入者を招く目印」とでも言えるものです。

建物を外から見て、窓が開いているかどうかは誰が見てもわかります。たとえ閉じられていても、1階ならそばまで行けば窓の「クレセント錠」が施錠されているかどうかもよく見ればわかるでしょう。網戸は簡単に取り外せるので侵入の邪魔にはなりません。熟睡していれば音も聞こえないくらいでしょう。多少の物音がして住人が気づいたとしても、刃物などの凶器でも突き付けられたら抵抗することは危険になります。

侵入者からすれば、開いている窓や玄関は「いらっしゃい」と手招きされているように思うかもしれません。鍵のかかった家よりかかっていない家のほうが侵入しやすいという点では手間いらずですから、よりターゲットになりやすいのです。

どうしようもなく暑ければエアコンを使い、外気が涼しければ窓を少し開けておく、つまり猛暑の盛りより、朝晩がしのぎやすくなってきたころが油断しどきかもしれません。節電目的だけでなく、とにかく窓を開けたい……そんなときには、侵入防止対策をとりましょう。
 

窓を開けて寝る際の防犯グッズや防犯対策法

開けたままの窓から侵入者は入ってきます

開けたままの窓から侵入者は入ってきます


エアコンは使わないから、窓を開け放したい、網戸だけにしたい、冷房による冷気より自然の風のほうが体にいいような気もして……と、窓を開けておきたい人は、ただ網戸にするだけでは危険です。集合住宅の2階以上の階数に住んでいる人は、「こんな上の階までベランダから侵入者などないだろう」と思い込んでいる人が多いようですが、隣家に入った泥棒がベランダ伝いにやってこないとも限りません。建物の何階であろうと油断は禁物です。

集合住宅の場合、窓と玄関を開けておけば風通しがいい、というのもいえるわけですが、何度もお伝えするように玄関と窓が侵入口となりますから、ただ開けておけばいい、ということにはなりません。鍵もかけずに開けたままでは住まいは路上にあるのと同じです。つまり、誰でもその気になれば入ってこられる状態です。自分と家族の財産と命を守る場所なのに、路上と同じではあまりにも無防備です。

そこで、侵入口となる窓、玄関に対策を施しましょう。防犯グッズ、セキュリティ用品の多くが「音か光」を出すものだということはお分かりでしょう。悪いことをしようとしている人は緊張しているので、突然の大きな音や光に弱いのです。「意表を突かれる~まったく考えていなかったこと。またそのさま」ことに弱いのは誰でも同じですが、「大丈夫だろう」と思い込んで侵入を試みようと思っていた者には侵入行為をあきらめることになるでしょう。

「侵入防止アラーム」は、窓や玄関から侵入しようとすると大音量の警報音が鳴り響くものです。大型電器店やホームセンター等の「防犯コーナー」等で手軽に購入できます。また、子どもや女性が携行する「防犯ブザー」を使って、自作の「侵入防止アラーム」を作ることもできます。設置例はこちらの「サムターン回しより焼き破り!?」をご覧ください。防犯ブザーの手作りアラームは窓にも同様にセットできますが、玄関と窓の二か所に防犯ブザーをセットすればより安全でしょう。

「防犯ブザーをわざわざ買うのも面倒」という向きには、侵入口付近に身近なものを置いて侵入者が侵入をあきらめるような仕組みを作りましょう。たとえば、ある女性は玄関ドアに施錠はするものの、それだけでは不安なので、雨傘を開いて置いています。引っかかって音がすれば居住者も気づいて大声でも上げれば逃げていくだろう、と考えているようです。

安定の悪いものを積み重ねておくことでも同様の効果があるかもしれませんが、地震対策も同時に考えるとあまりいい考えではないでしょう。それになにより「ドアを開けられたら」という前提に問題があります。「ドアを開けられないようにする」ことが、「ツーロックにすること」が大切です。
 

防犯トラップは必須!でも基本的には窓を開けて寝るのはNG

窓を開けたまま寝るのは基本NGですが、寝る際には必ず防犯を

窓を開けたまま寝るのは基本NGですが、寝る際には必ず防犯を


たとえば、集合住宅のベランダなどはコンクリートが一般的ですので、空き瓶や空き缶を並べておくのはいかがでしょう。足が置けない幅以内にボウリングのピンのように立てて置いておけば、窓に近づくのが困難です。1本ずつどけようと思っても音がするでしょうし手間がかかります。倒れると音が鳴るトラップです。

一戸建では、窓の外が地面や芝生だと足音が聞こえません。そのため、「砂利」を敷き詰めることが有効です。「防犯砂利」は通常の砂利よりも音が大きく、費用は若干高めですが効果は大です。窓下に足がかりとなるような段ボール箱や古新聞の束などは置かないことが原則です。集合住宅のベランダ対策と同様に空き瓶や空き缶を並べて置くと窓に近寄りがたくさせる効果があるかもしれません。ただし、風雨に対してどうか、猫などが通ったらどうか、ということは検討してみるべきでしょう。

ピアノ線や手芸用のテグスなどを張り巡らせて、鈴など音の出るものをつけておき、窓に近づこうとすると引っかかって音がする、というトラップも有効です。名付けて「鳴子トラップ」です。とはいえ、人が通ると反応して明かりがつく「センサーライト」も、さほど高くない価格で売られています。暗がりで突然ライトが当たると誰でも驚き、しばらくは目が見えにくくなります。侵入しようとするよりその場から逃げるでしょう。

「窓も玄関も開けておきたい」のであれば、上記のようなトラップを仕組んだり、音が出る、光が当たる、などの対策用品を使うようにしましょう。そうした侵入対策をすることなしに開け放しておきたい、という人は侵入や強盗被害に遭ったときのことを考えてみましょう。「あのとき窓を開け放しておかなければ」「玄関の鍵をかけておけばよかった」と後悔することがないでしょうか? 被害が予測されるなら被害を防ぐ対策を講じておくべきです。自己防衛は自己責任。無事でいたいなら、玄関も窓も、「ツーロック」にして、施錠しておきましょう。

ある女性は8階建ての8階に住んでいましたが、ある夜、ふと目を覚ますと包丁を持って自分を見下ろしている男がいることに気づきました。エアコンが苦手だったので、窓を開けていたのです。幸い、説得して自首させることに成功しましたが、その時の恐怖感はいつまでたっても残っているようです。

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