増加するジュニアゴルファー
近年、ジュニアゴルファーの数は、宮里藍プロや石川遼プロの影響で年々増加。過去10年で2倍以上に増えています。ゴルフ練習場でも、親子連れのゴルファーを見かけることが多くなりました。ゴルフは、世代を超えて楽しめるスポーツです。
年齢、性別を問わず同じ場所とルールで行うことが出来ます。ジュニアゴルファーというと、すぐに「将来はプロに」と話が飛躍してしまいがちですが、そうしたシリアスなニーズだけでなく、家族のコミュニケーションの場として、ゴルフプレーを楽しむ機会がもっと増えると良いのではと思います。
今回は、ジュニアゴルファーの大きな悩みであるクラブ選びについて紹介します。
残念ながら、ジュニアゴルファーの使えるクラブは少なく、ゴルフを始めるうえでもちょっとしたハードルになっています。
20年、30年前にさかのぼると、そもそもジュニア用のクラブ自体が無く、ジュニアゴルファーは大人用のクラブの長さをカットして使用するか、大人用をそのまま使用していました。
現在は、多少なりともラインナップが増えてきているので、最初はそうしたものを使い、成長の度合いに応じて、大人用にシフトしていくのがセオリーと言えます。
よく言われることですが、クラブとスイングはとても密接な関係があります。使っているクラブが変われば、自然とスイングが変わるのです。
例えば、ものすごく重いクラブ使うと、プレーヤーは意識することなく、背筋や腹筋、下半身の力を大きく使い、身体全体でクラブを振ろうとします。逆に極端に軽かったり、シャフトが軟らかかったりすると、身体を使わず、手先だけで振ろうとします。
ナイキJr.用クラブ。体形に合わせたラインナップ。
多いケースは、やはり大人用のクラブなどでゴルフを覚えた場合。クラブが重すぎるため、重いクラブを振れるようなスイングになります。個性の出やすいトップオブスイングでは、ヘッドが飛球線方向にたれたり、逆に重いクラブをコントロールしようとして、ノーコックでクラブを立てるようにスイングしたりします。ダウンスイングで頭が下がったり、フィニッシュで反り返ったりするのも重いクラブを使用するジュニアゴルファーの特徴と言えるでしょう。
日本のジュニアゴルファーのレベルは高く、古閑美保プロや金田久美子プロをはじめ、ジュニア時代から世界で活躍している選手が多く存在します。しかし、必ずしも成長してプロゴルファーとして世界的に活躍できるかというとなかなか難しいのが現状です。
これには、理由が様々あると思いますが、ジュニア時代に形作られたスイングが、大人になって成長した身体と必ずしもマッチしていないということも言えるのではないかと思います。多くのスポーツで、成長過程特有の壁にぶつかるケースがありますが、ゴルフは特に道具の比重が高いスポーツなので、その影響も顕著です。