定年・退職のお金/老後の生活設計・ライフプラン

老後の住み替えに必要な費用(3ページ目)

老後は今までやれなかったことに挑戦したり、肉体的な老化を実感したり、とても複雑な時代です。趣味を満喫したい、虚弱なので介護サービスを確保したい、などを目的に住み替える人が増えています。ここでは介護と終の棲家を視野に、住み替え先と費用を考えました。

大沼 恵美子

執筆者:大沼 恵美子

貯蓄ガイド

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介護施設の費用は?

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ウ~ン、しっかり計算しなくちゃ!

では、入居中毎月必要となる一般的な費用がどのくらいなのか、月額の目安をご紹介します。

【特別養護老人ホーム】
  • 多床部屋             10万円程度
  • 個室                 15万円程度
  • 介護保険サービス利用料 1割
  • 雑費(おむつ代ほか)     不明     
です。合計額は、要介護5の人で15万円弱~20万円弱というところです。

【軽費老人ホーム】
  • A型……6~17万円(食費、事務費を含めた基本料金。年収が150万円以下なら事務費は1万円)
  • B型……家賃が3~4万円程度(生活費はすべて自己負担)
  • ケアハウス(C型)……7万円~12万円程度(+水道光熱費と電話代(事務費が月額1万円~5万円程度(所得によって補助あり)。食費を含む生活費が4.5万円程度。管理費は、一時金方式と月払い、併用方式の3パターンがある(一時金方式は数百万円程度、併用方式で月払い分は2千円~5万円程度)
【有料老人ホーム】
  •  入居一時金  施設のグレードによって数百万円~1億円程度。
  •  居住費(家賃・水道光熱費・通信費・娯楽費・交際費など)
  •  食費
  •  その他のサービス代(リネン代・理美容費・洗濯代・雑費など)
  •  介護状態であれば、おむつ代や介護保険サービス利用料1割、上乗せ介護費用など

施設によって金額は異なりますが、居住費と食費合計で一人毎月20万~30万円程度、夫婦入居では50万円程度が一般的です。なお、退所時の一時金返還トラブルが多発し、最近では一時金を家賃に上乗せして支払う方式を採用している施設が増えており、その場合には居住費がもう少し高くなります。

有料老人ホームに入居すると、食事の支度や家事などから解放され自由な時間を楽しめ、生活環境がよくストレスも少ないので、人生100年と考えると、必要な資金は下記にあてはめて厳密に計算する必要があります。
  •  年間の不足金額(年金月額-必要経費)×100歳までの年数
  •  入居一時金
(例)75歳で入居、赤字20万円 ⇒ 20万円×12ヵ月×(100-75)=6000万円、入居一時金=2000万円、必要な金融資産は8000万円。

しかし実はこれだけでは足りません。自由度が高い有料老人ホームですから、お小遣いや交際費、趣味のお金などが別途必要です。


施設に入居すると、毎月必ず必要な費用が発生します。夫婦で入居して夫が先になくなった場合、年金額が少なくなって妻が住み続けることができない、という悲しいことも起こっています。そのようなことを防ぐために、90歳くらいまで夫婦で暮らし、その後10年程度妻が暮らす、というイメージでキャッシュフロー表を作成し、資金の過不足を確認しましょう。途中で資金が尽きた……、なんてご法度です。

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