家賃滞納には、すばやい対応が大切
賃貸住宅には、さまざまな問題が……
けれどもオーナーさんにとって最悪の不良入居者は、やはり家賃を払わない人でしょう。
オーナーさんは自分の大切な財産である不動産を入居者に提供し、入居者からはその対価として家賃をいただきます。本当に基本的な最初の約束事です。家賃を滞納するということは、その最も重要な約束を破るということになります。
不動産屋さんとのお付き合いの仕方には、大きく2種類あります。ひとつは、斡旋(客付け)だけを委ねる媒介という方法と、もうひとつ、入居後のフォーローまで委ねる管理委託という方法があります。斡旋だけ頼んだ不動産屋さんに「何もやってくれない」と文句を言う人がいます。「入居者を斡旋したくせに」というのですが、斡旋しただけの不動産屋さんを責めるのは、お門違いというものです。
斡旋不動産屋さんのミッションは、入居者をオーナーさんに紹介することであり、契約を結ぶかどうかを決めるのはオーナーさんです。そして不動産屋さんと管理契約を結んでいないのであれば、以後の家賃の集金の責任は不動産屋さんではなく、オーナーさんにあるのです。不動産屋さんの側では、「自分は斡旋しただけ、契約判断は大家さん」ですから、基本的にはなかなか動いてくれませんし、なにより法的な義務もありません。
「あんたが斡旋してきた○○号室の××さんが家賃を滞納してるんだ」と文句を言っても、「そうですか、それでは対応してみましょう」と言ってくれても、電話の一本を入れるぐらいがせいぜいです。
そして電話してみても出なかったら、「なかなかつながらないんですよ」、でおしまいです。
滞納に対しては、兎に角すばやく対応することが肝心です。1ヶ月分の家賃も払えない人が、2ヶ月分、3ヶ月分の家賃をまとめて払えるはずもありません。言い換えれば、家賃が2ヶ月以上滞納しているとしたら、それはもう不良入居者化しているということなのです。
ただ、滞納している家賃の催促は慎重な配慮が必要とされる業務です。この点、ほとんどのオーナーさんは家賃回収のプロではありませんから、細心の注意が必要となります。オーナーさんが滞納中の家賃を催促したときに、言い方を誤ったために大きなトラブルとなり、殺傷沙汰となったケースも少なくありません。