第2位 お月さまの表情にご注目
『おつきさま こんばんは』
真っ暗な空、家の屋根にはねこ。屋根の上が明るくなってきて、お月さまの登場です。雲が流れてきて、お月さまを隠してしまいます。でも大丈夫。雲はお月さまとおはなししていただけでした。雲は去り、またお月さまがでてきてにっこりわらいます。
夜空の藍色とお月さまの黄色、鮮やかな色の対比の中でゆっくりと流れる時間は、まるでおやすみ前の母と子が感じる穏やかなひと時に似て、なんとも幸せな気分をもたらしてくれます。
絵を描いた林明子さんは、小さな女の子を描く名手といわれています。『はじめてのおつかい』や『あさえとちいさいいもうと』に描かれた愛らしい少女をご記憶の方もたくさんいらっしゃるでしょう。では、林さんの作品には、いつもどこかに楽しいイタズラが潜んでいることにお気付きの方はいらっしゃいますか?
この作品では、裏表紙にご注目! ここでは、「べえっと舌を出したおちゃめなお月さま」が描かれ、子どもたちに大人気です。 楽しそうないたずらっぽい表情が、林さんらしいお月さまになりました。林さんの上手さは、決して女の子の表現だけではないと教えてくれる作品です。
【書籍DATA】
おつきさま こんばんは (林明子:作)
価格:735円(税込)
出版社:福音館書店
推奨年齢: よんであげるなら0歳から
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