絵本/絵本人気ランキング

2011年上半期絵本人気ランキング

ネット通販サイトAmazon.co.jp から、「2011年 上半期Booksランキング」が発表されました。ランキング入りした絵本は、本棚にそろえておきたいおすすめ作品ばかり。そこで、各絵本のイラストレーターにスポットを当てながら、ランクインした人気の絵本をご紹介します。

執筆者:大橋 悦子

イラストレーターに注目! 2011年上半期Amazon絵本人気ランキング

ネット通販サイトAmazon.co.jp から、「2011年 上半期Booksランキング」が発表されました。絵本のランキングをみると、値段が手頃で、既に評価の定まったロングセラー絵本に人気があったことがうかがえます。もちろんランクインした新作もありますが、人気シリーズの続刊で、ここにも読者の「はずれのない堅実な絵本選び」の傾向が顕著に現れています。

結果として、ランキング入りした絵本は、本棚にそろえておきたいおすすめ作品ばかりとなりました。そこで今回は、各絵本のイラストレーターにスポットを当てながら、多くの人に実際に選ばれた人気絵本をランキング形式でご紹介します。作者を知ることで、これまでとはひと味違った絵本の味わい方ができるかもしれません。

第10位 「an・an」のアートディレクターが描いた
『ぐるんばのようちえん』

ぐるんぱのようちえん

ピンクのほっぺが愛らしいぐるんぱが、天職を探して頑張ります!


ぐるんぱは大きなぞうですが、ずっと1人暮らしで泣いてばかりいました。おまけに汚くて臭いなんて、困りましたね。 そこで、見かねた仲間がぐるんぱを働きに出すことにしました。身体を洗い、見違えるほどきれいになったぐるんぱは、はりきって働きにでますが、自分の思いとは裏腹に、何をやっても失敗ばかりです。しょんぼりと落ち込むこともありますが、頑張り屋のぐるんぱは、ついには天職とも言うべき仕事を見つけます。

大人なら、「自己発見の物語」などと理屈をつけてしまいそうですが、このお話はもっとシンプルに楽しみましょう。ぐるんぱの幼稚園には、子どもたちを魅了するものが盛りだくさんです。

ぐるんぱが作ったとんでもなく大きいモノたち(例えば大きなお皿や、巨大な靴やスポーツカーなど)が、素晴らしい遊具として使われています。「こんな幼稚園なら行きたい!」と思うのは小さな読者ばかりではありません。大人だって「楽しそうだなあ」って思いますよ。

この楽しい雰囲気は、なんといっても堀内誠一さんのイラストによるところが大きいですね。ぐるんぱのピンクのほっぺのなんと愛らしいこと! このほっぺを見るだけで、ぐるんぱが元気な頑張り屋さんであることがうかがい知れるのですから、にくい演出というほかありません。それもそのはず、堀内さんは、「an・an」創刊の際にアートディレクターを務め、雑誌の神様とまでいわれたイラストレーターです。まさに実力者が、その力を遺憾なく発揮した作品です。

【書籍DATA】
ぐるんぱのようちえん (西内ミナミ:作 堀内誠一:絵)
価格:840円(税込)
出版社:福音館書店
推奨年齢: よんであげるなら4歳から
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